Record China 2018年10月13日(土) 12時20分
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日本企業に賠償を求め韓国の元徴用工らが起こした訴訟の判決が、年内にも韓国の最高裁で言い渡される。1965年の日韓請求権協定を覆しかねず、慰安婦支援財団の解散問題とも重なり、暗雲が漂う日韓関係の「前門の虎、後門の狼」だ。写真はソウルの日本大使館前。
2018年10月12日、日本企業に賠償を求め韓国の元徴用工らが起こした訴訟の判決が、年内にも韓国大法院(最高裁)で言い渡される。訴訟の経緯などから日本企業側が敗訴する可能性が大。そうなれば、1965年の日韓請求権協定を覆しかねない。慰安婦支援財団の解散問題とも重なり、暗雲が漂う日韓関係の「前門の虎、後門の狼」だ。
最高裁で係争中なのは、第2次世界大戦中に製鉄所で強制労働をさせられたとして韓国人4人が新日鉄住金を相手取り、損害賠償を求めた訴訟の差し戻し上告審。5年間止まっていた審理が今年8月に始まった。
元徴用工の個人請求権に関して、日韓両国政府は日本が韓国に5億ドルの経済支援を行うことで「両国および国民の間での請求権を完全かつ最終的に解決した」とする1965年の日韓請求権協定で決着済みとの立場。一、二審では原告側が敗訴した。しかし、最高裁は12年5月、「個人の請求権は消滅していない」と判示。下級審判決を破棄し、差し戻した。これを受け、二審の裁判所は8000万~1億ウォン(約800~1000万円)の賠償を命じ、日本企業側が再上告していた。
元徴用工の訴訟をめぐっては、最高裁が日韓関係の悪化を懸念した朴槿恵前政権に配慮して判決を遅らせていた疑惑が浮上。8月初め、検察当局が外務省などを家宅捜索している。朴前大統領の指示で当時の政府高官が最高裁に判決先送りを要求したとみられている。
韓国の文在寅大統領は8月、安倍晋三首相との電話会談で元徴用工の賠償請求権について「国家間では韓日請求権協定で解決した」とする一方、「個人請求権は存在するというのが韓国最高裁の判断だ」と説明。康京和外相も9月、外国メディアとの記者会見で、最高裁で日本企業への賠償を命じる確定判決が下された場合、尊重する考えを示した。三権分立の建前からも韓国政府が介入できる余地は少ないが、日韓関係には大きな影響を及ぼすことになる。
一方、15年12月の日韓合意に基づき、翌年7月、慰安婦被害者を支援するため韓国に設立された「和解・癒やし財団」について、日本メディアはこのほど、「9月11日にベトナム・ハノイで行われた日韓外相会談で康外相が河野太郎外相に『年内に解散する』と通告した」と報じた。
西村康稔官房副長官は9日の記者会見で、この報道を「事実ではない」と否定したが、解散には文大統領が9月25日の日韓首脳会談で言及している。慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した日韓合意の形骸化は避けられない見通しだ。
日韓両国は8日、1998年に当時の小渕恵三首相と金大中大統領の間で未来志向の関係構築などをうたった共同宣言から20周年の節目を迎えた。安倍首相は記念シンポジウムで「隣国であるが故にさまざまな難しい課題がある。政治のリーダーシップによる大きな決断が必要だ」と強調したが、聯合ニュースは「歴史問題では認識の溝を埋められずいる」と伝えている。(編集/日向)
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