「中国侮辱番組」と「精神日本人」、中国の愛国教育がもろ刃の剣に―米華字メディア

Record China    2018年9月28日(金) 7時20分

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26日、米華字メディア・多維新聞は、スウェーデンで発生した中国人絡みのトラブルに対して中国世論が過激な反応を示していることについて、中国による愛国教育が「もろ刃の剣」となっているとする文章を掲載した。写真は中国国内の愛国宣伝。

2018年9月26日、米華字メディア・多維新聞は、スウェーデンで発生した中国人絡みのトラブルに対して中国世論が過激な反応を示していることについて、中国による愛国教育が「もろ刃の剣」となっているとする文章を掲載した。

文章はまず、「ある中国の学者は頻繁な災害や戦乱により、中国人の間には行為を極端に目的化し、体面や尊厳をほとんど考えないという特殊な文化が生まれたと考えている。また、中国には100年にわたる屈辱で培われた『国恥文化』も存在するため、主権にかかわる話では異常とも言える過激な反応を示す」とした。

また、「中国の文化はコネクションと感情の文化であり、事の是非やロジック、規則、秩序、法律を気にすることなく、逆に特殊性や融通を強調する。前出の学者は、中国の教育には『世界市民の意識』の育成が必要であり、民族主義文化ではなくグローバルな文化で若い世代を教育すべきだと主張している」と述べた。

続けて、「中国共産党は現在、愛国主義教育に力を入れる一方で、世界主義は優先事項の中に入れていない。9月に共産党が北京で開いた『全国教育大会』では、愛国主義精神を児童・生徒・学生の心に根差し、共産党を熱愛し、守るよう指導することが求められた。昨今のインターネット社会で、青年たちの思想と政府や党が求める愛国主義との乖離(かいり)が日増しに大きくなっていることに対し危機感を抱いているという分析もある」と紹介し、「教育当局は『線を踏み越えた者』に対して全く容赦ない懲罰を与えるようになり、愛国か否かという思想の問題は、正に『敵か味方か』という対立にまでエスカレートしている」と論じた。

そして、その象徴的な事例が、一時期頻発した「精神日本人」であると指摘。さらに、「力で人を服すような、暴力的な愛国教育では効果はない。世界市民として教育を施し、自国の若者の面倒をしっかり見なければ『精神日本人』は絶えず出てくるし、愛国教育は失敗に終わる。海外のSNSの画面に『愛国愛国』と書き込んでも何の役にも立たないのだ」と論じている。(翻訳・編集/川尻

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