Record China 2018年9月2日(日) 21時40分
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武漢天河空港(湖北省)で一時的に、管制塔と航空機が正常に交信できない状態になった。「性機能減退で悩む男性向け」の広告が割り込んだためだった。写真は武漢天河空港で管制塔からの離陸許可を待つ航空機と、マンションの一室で見つかった違法な電波の発信装置。
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新華社は1日、武漢天河空港(湖北省)で8月27日、空港の管制塔と航空機が一時、正常に交信できない状態になったと報じた。電波に「性機能減退で悩む男性向け」の広告が割り込んだためだったという。
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問題が発生したのは8月27日午後1時55分だった。ちょうど、着陸しようとする航空機と管制塔が交信していた時だった。別の電波が割り込み、「先祖からの秘密の処方! 神奇の特効! 腎虚の専門療法 3回の過程で、病気の根を除去」などの広告を叫んだという。
腎虚とは中国医学で水をつかさどるとされる「腎」の機能が衰えた状態。男女ともに発生しうる状態だが、専門家以外は多くの場合、男性の性機能の減退、西洋風に言えばEDの状態を指すと認識されている。
管制塔内の空気は凍りついた。管制官の仕事とは航空機に指示を与えて順序だてて飛行させることだ。航空機の操縦士が自分自身で、周囲のどの位置で、どの方角に向け、どれだけの速さで飛行しているかを把握するのは極めて困難だ。多くの航空機が発着する空港周辺で管制ができなくなれば、とりわけ危険だ。空中衝突という最悪の事故が発生する恐れが格段に強まる。
管制塔内で「別の周波数に切り替えろ!」との声が飛んだ。と同時に、上級部門に緊急対応を発動するよう要請した。別の技術担当者は、妨害電波の発生源を特定する作業に着手した。得られた情報は湖北省無線電信管理委員会にも報告して、合同で違法電波発信の摘発作業を行うことを求めた。
8月29日には警察と航空当局、省無線電信管理委員会の係員が違法な電波発信を摘発する作業を実施した。電波の強度方角をもとに少しずつ絞り込んでいった結果、発信場所は40階建て程度の建物十数棟が並ぶマンション群と分かった。敷地内に入ってさらに調べた結果、高層にある一室から建物の外壁とほぼ同じ色に偽装したアンテナが出ており、電波を発信していることが分かった。
建物に入って問題の部屋に突入した。室内は無人で、電波の発信装置があった。携帯電話で操作できる装置だった。しかも、第三者が部屋に入った場合には、発信装置を操作する者に通報する仕組みも取り付けられていた。
同部屋は賃貸で、入居は8月26日だった。契約時に提示された身分証は偽造されたものと分かった。入居者は3カ月分の家賃と電気代として1万元(約16万300円)を前払いしていた。逮捕を逃れるために、部屋に戻ることは考えておらず、装置なども最初から放棄するつもりだったとみられている。
違法な放送を聴取した結果、1ケース当たり数百元(500元=約8140円)程度の薬品や保健品を仕入れ、約1万元で販売していたことが分かった。家賃や機材費などの経費は計5万元(約81万4000円)程度で、1カ月に20万元(約326万円)程度の利益を上げる目論見だったと推定されている。
一連の調べで、違法な電波発信を意図的に行っていたことが確実になった。容疑者は、商品購入の申し込みのために、情報サービス会社から購入した「400電話」の番号を使っていたことが分かった。「400電話」とは日本のフリーダイヤルに似たサービスだ(発信側の費用が完全に無料になるとは限らない)。警察などは調べを進めている。(翻訳・編集/如月隼人)
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