イタリア北部のジェノバで14日、高速道路の高架橋が崩落して多数の死傷者が出た事故で、中国の建設会社、中国鉄建国際工程は同日、SNSに「われわれが行って工事する必要はないかね」などと書き込んだ。

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中国中央電視台（中国中央テレビ）が中国版ツイッターなどと呼ばれる微博（ウェイボー）微博で同事故を伝えたところ、中国鉄建国際工程が14日午後9時46分（日本時間同日午後10時46分）に、「私はアルジェリアにいる。イタリアは、われわれが行って工事をする必要はないのかね」とするコメントを投稿した。

中国鉄建国際工程は中国鉄建の傘下企業。中国鉄建は鉄道分野の建設事業から出発した、中国最大の総合建設会社。大惨事を茶化すように、「自社に発注しないか」といった意味の書き込みをすることは不謹慎だと思われるが、日本時間15日午前8時ごろに、同書き込みは最も多い400を超える「いいね」を集めた。

微博は個人や企業・団体に対して、本人や該当企業・団体の公式アカウントであることを認証するVマークの制度を設けている。Vマーク取得のためには、関連書類の提出が必要で微博側は企業がVマークのあるアカウントから情報発信をすることは、ユーザーにとって大きな信頼と安心を意味すると説明している。

微博のVマーク認定には信頼があるとされ、現在のところイタリアでの橋崩落を茶化すような書き込みについて、中国鉄建国際工程の関係者の投稿であることを疑う理由はない。ただし、中国語で単数と複数をきちんと使い分ける人称代名詞について「私はアルジェリアにいる」と書いたことから、担当者個人が独断で書き込んだ可能性も高い。

中国中央電視台による事故報道に対しての、それ以外の「いいね」の多いコメントには「これは…。1960年代（の建設）なのだが…、日常の維持はやっていなかったのか」「おから工程（手抜き工事）。（怒りを示す絵文字）」「死神が来た」「南京長江大橋は時間がかかったけど、2年間通行止めにして補修をした。今年末には開通」などだ。

中国では時おり、「おから工程」による建築物の事故や欠陥の発覚が報道され、多くの人が怒り、嘆く。イタリアでの橋崩落のニュースに接して、中国では「自国の方がまだよい」との感想を持った人も多いようだ。（翻訳・編集/如月隼人）