Record China 2018年10月19日(金) 16時50分
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北朝鮮への対応をめぐり、米国と韓国の不協和音が目立っている。南北融和に突っ走る韓国に対し、北朝鮮の非核化を最優先する米国がいら立っているかに見える。写真は北朝鮮。
2018年10月19日、北朝鮮への対応をめぐり、米国と韓国の不協和音が目立っている。韓国の康京和外相が独自制裁の解除を示唆すると、トランプ大統領は「米国の承認なしに何もしない」と露骨にけん制。南北融和に突っ走る韓国に対し、北朝鮮の非核化を最優先する米国がいら立っているかに見える。
水面下に隠れていた米韓の亀裂が表面化したきっかけは、北朝鮮に対する韓国の独自制裁解除に触れた康外相の発言だった。10日の国会答弁で康外相は2010年に起きた韓国海軍の哨戒艦「天安」沈没に対応して韓国政府が定めた独自の北朝鮮制裁に関して「解除を検討中」と述べた。
これに対し、トランプ大統領は直ちに反応。「韓国は米国の承認なしには何もしないだろう」と語り、「承認」という言葉を繰り返した。取材陣が改めて「韓国は(これに関して)大統領と接触したことがあるか」と尋ねると「その通り。彼らはわれわれの承認なしには何もしないだろう」と再度強調した。これには韓国内で「主権の侵害」と物議を醸したが、韓国政府は火消しに追われた。
ポンペオ米国務長官も康外相との電話で、平壌南北首脳宣言に含まれている「南北鉄道連結の年内着工」と「軍事分野の付属合意」に抗議。文在寅政権が南北関係改善に前のめりになる中、非核化の具体的な進展があるまでは北朝鮮制裁を維持しようとする米国との立場の違いを露呈する場面が続いている。
さらに複数の韓国紙によると、米財務省は9月末、産業銀行と国民銀行、農協など韓国の金融機関に電話。韓国の銀行が推進する対北朝鮮関連事業の現況を問いただし、「対北朝鮮制裁を違反しないことを願う」と要請するとともに「あまり先走ってはいけない」という趣旨の話を何度もしたという。
文政権の対応に各紙は一様に批判的。朝鮮日報は社説で「韓国政府は常に北朝鮮の主張を代弁はしているものの、一方で『核リストの提出など実質的な非核化につながる措置を取るよう北朝鮮を説得した』という話は聞こえてこない。そのため国際社会でも『韓国政府は金正恩氏の主張を一方的に代弁している』との認識が広まり、韓国に対する態度が変わりつつある」と指摘した。
中央日報は社説で「米国と歩調を合わせることを強く要求する。焦ればむしろ実現しないことが多い。特に米国と歩調を合わせずに非核化と平和構築の夢をかなえようというのは道理に合わず不可能なことだ」と強調。東亜日報も「2度目の米朝首脳会談を控えた米国は、厳しい制裁履行を強調し、韓国の動向を注視している。政府は米国の疑念を払拭(ふっしょく)しなければならない」と訴えている。(編集/日向)
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