Record China 2018年8月12日(日) 7時40分
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四川省成都市内の集合住宅で、いわゆる「ごみ屋敷」の整理作業が実施された。「天を突く悪臭」に耐えかねるなどで隣室住人による訴えを受け、裁判所がごみの強制撤去を認めたという。
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中国メディアの澎湃新聞などは8日、四川省成都市内の集合住宅で、裁判所が派遣した係員らが住人女性の部屋から大量のごみを撤去したと紹介する記事を掲載した。ごみからの「天を突く悪臭」に耐えかねるなどで隣室住人による訴えを受け、裁判所が強制撤去を認めたという。
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問題の部屋に住んでいるのはひとり暮らしの女性で、2~3年ほど前からごみを拾い集めては自室に置くようになった。腐敗するごみも多く、「天を突く悪臭」が発生したという。
悪臭に耐えかねた隣室の住人は、ごみを撤去するよう求めたが、女性は「室内に置いているので、悪臭はそれほど外に出ないはず」と主張して、取り合わなかった。
次に、住人組織や不動産管理会社が女性に、ごみを捨てるように説得。女性は室内のごみを整理すると約束したが、実際にはほとんど手を着けなかったという。
そのため、隣室の住人は成都市青白江区法院(裁判所)に、ごみの強制撤去を求めるよう訴えた。裁判所は、室内に大量のごみを置くことで、近隣住人の正常な生活に深刻な悪影響を与えており、権利侵害に相当すると判断。また、大量のごみを室内に置くことによる危険を除去する必要もあるとして、強制撤去を支持した。
裁判所の関係者は取材に対して、「不動産の近隣住民は、生産(仕事)に有利性、生活の利便性、団結互助、合理的公平さなどの精神にもとづき、防水、排水、通行、通風、採光など各分野で隣人との関係を正しく処理せねばならない」と記述されている民法通則第83条を適用したと説明した。
ごみの撤去が実施されたのは8月1日で、裁判所や住人組織が派遣した人員ら16人が、1日をかけて作業した。16人全員が、不潔さや悪臭に耐えながら作業を進めた。ニシンの缶詰が大量にあったと、顔をしかめながら語った作業者もいた。どうやら封を開けた缶詰だったらしい。大小各種のごみを運んだ自動車は延べ30台に達した。
日本でも、「ごみ屋敷」の問題が各地で発生しているが、強制撤去が実施される事例はまれだ。その根本的な理由は、日本の法体系や法精神が、個人の権利を最大限に尊重しているからと考えてよいだろう。「ごみ」にも所有権があるとすれば、第三者による処分は慎重にならざるをえなくなる。
一方で、中国の法体系は、社会全体の秩序をより重視する。その結果、「権利の軽視」という事態が発生しやすい反面、社会における「明らかな問題」の解決は比較的迅速という特徴がある。(翻訳・編集/如月隼人)
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