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木材輸出大国・日本の「造林神話」にさまざまな問題―中国メディア

人民網日本語版    2018年8月8日(水) 13時20分

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「日本の木材輸出量が過去最高を更新した。主に中国に売られている」。日本のメディアが最近伝えたこの情報が、多くの中国人を大いに驚かせた。資料写真。

「日本の木材輸出量が過去最高を更新した。主に中国に売られている」。日本のメディアが最近伝えたこの情報が、多くの中国人を大いに驚かせた。日本は森林保護に非常に力を入れている印象があり、「自国の国土に茂った樹木をことのほか大切にして、割りばしなどにするなどもってのほかで、割りばしの材料は主に中国から輸入している」という見方もあった。「森林保護大国」から「木材輸出大国」への突然のイメージ転換に対し、人々は疑問を抱かざるを得ない。環球時報が伝えた。

日本では国土面積の70%を山岳地帯が占め、面積の少ない森林は極めて重視されてきた。早くも明治維新に先立つ17世紀の江戸時代に、「山は国の宝、山が衰退すれば国も衰退する」といった見方が出ていた。だがこうした素朴な環境主義思想では工業化時代の流れに根本的にあらがうことはできなかった。明治維新後、日本は近代化プロセスを急ピッチで展開し、木材需要も急激に上昇し、森林が大量に伐採された。

特に軍国主義の傾向がますます高まるのにともなって、木材需要はさらに急激に増加した。第二次世界大戦の後期には、石炭、鉄、石油などの戦略資源が深刻な不足に陥った日本は森林を「万能薬」にするしか手立てがなくなり、松を大量に伐採し、松の根っこも掘り起こしてガソリンの代替品を精製したり、金属がないので代わりに木製の飛行機を製造したりした。統計によると、日本の森林の年間伐採面積は1932年に42万ヘクタールだったのが、45年は80万ヘクタールに急増し、にもかかわらず手に入った木材の量は急速に減少していった。ここから当時の日本の森林資源が戦争によって枯渇の危機に直面していたことがわかる。

第二次大戦が終わっても、こうした局面は好転しなかった。当時の戦後の再建には大量の木材が必要で、このことが日本の森林の伐採をさらに推し進めた。47年9月に関東地方と北日本地域が台風に襲われた際は、大量の森林が伐採されたため、台風による雨で川の水の氾濫、山崩れ、土石流などの災害が発生し、約30万世帯が被害を受け、1000人を超える人々が亡くなった。

戦後の経済発展に不可欠な木材需要を保証するため、日本政府は50年に「造林臨時措置法」を制定し、造林地の所有者が政府の指定していない地域で植栽を行った場合、政府は第三者に指定された地域で植栽するよう指定することができ、また造林地の所有者に植栽を強制することもできると規定した。51年と53年に関連政策を相次いで打ち出し、造林などの産業に長期低利貸出を提供する、「硬軟取り混ぜた」やり方で民間の植栽活動を奨励するなどした。

この時期の造林活動は第1次造林拡大期と呼ばれる。50年代の半ばには、日本の森林の植生は部分的に回復したが、戦後の再建と経済復興の取り組みが日に日に活発になり、住宅やその他の建築物に利用される杉や松などの針葉樹の木材に大量のニーズが生まれた。経済発展に欠かせない紙のニーズが、製紙産業に大きな刺激を与え、針葉樹が必要になった。これと同時に、石油や天然ガスなどの新型エネルギー、化学肥料が広範囲に使用されるようになり、これまでは燃料や肥料などに用いられてきた広葉樹木材のニーズが急激に減少した。こうした要因がさまざまに作用し合った結果、日本政府は次の3つの政策を打ち出すに至った。1つ目は木材輸入を開放し、国有・民間の造林地における伐採量を増やして、木材価格のバランスを取ること。2つ目は製紙会社の技術バージョンアップを奨励し、針葉樹パルプを広葉樹パルプに代えて紙を製造することだった。後に重大な影響をもたらしたのは3つ目で、日本政府は造林に補助金を支給し、伐採では建築材料には不適切な天然林を主要目標として、針葉樹を統一的に植栽する人工林を造成した。こうした措置の影響を受けて、60年前後から、日本の天然広葉樹林の伐採量が増加を続け、伐採後の広葉樹の空き地には、早く育つ針葉樹が人工的に大量に植栽された。わずか20年ほどで、日本の人工林面積は30%増加し、天然林面積は15%減少した。

その後、市場は飽和状態になり、木材価格は低下を続け、さらに人工造林に利用できる空き地も足りなくなり、日本の人工造林の取り組みは低迷期に入って今に至る。2010年以降、日本の毎年の人工造林面積は60~70年代の平均の10%にも満たない。それでもなお、現在の日本全国の森林に占める人工林の割合は40%に上る。

日本のこれまでの歴史の中での造林活動を振り返ってわかることは、造林活動の誕生を促した要因の中に環境保護の意識もあったかもしれないが、全体としてみれば経済的利益が根源にあり、結果として環境や国民の健康に不可逆的なマイナス影響を与えた。特に天然林を破壊する人工林の造成という行為は、生物の多様性を脅かし、原生林の生態システムを大きく破壊した。また、人工林は広い面積での同質化という特徴があるため、病虫害が発生した場合に抵抗力が弱い。このほか経済的利益のために広い範囲で杉を植えたため、日本では毎年春になって杉の木が受粉の時期を迎えると、花粉が広範囲に飛散して、スギ花粉症を引き起こす。統計によると、日本では毎年30%の人がスギ花粉症に悩まされているという。

日本では最近、木材輸出が積極的に推奨され、人工林は成熟して収穫期に入っているが、まだ十分に利用されているとはいえない。合理的に伐採していないため、森林が荒廃し、樹木が育ちすぎるといった状況もみられ、森林の質が明らかに低下している。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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