むらさわりこ 2018年8月6日(月) 19時20分
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先日、中国人夫に「すっぴんメイクってなに?」と聞かれた。今回は中国人夫のメイクに対するイメージについて考えてみたいと思う。写真は渋谷。
先日、中国人夫に「すっぴんメイクってなに?」と聞かれた。「すっぴんに見えるメイクのこと」と答えたが夫にとっては「すっぴんに見えるメイク?ではなぜメイクをするの?」と理解の範疇(はんちゅう)を超えたようであった。今回は中国人夫のメイクに対するイメージについて考えてみたいと思う。
中国人夫は現在31歳。そんなに若くもないし、歳をとっている訳でもない。しかし夫が常に言っていることは「なんで日本人の女性はいつも化粧してるの?」という年配者のような発言だ。また、付けまつ毛や口紅、マスカラやチークなどは日本人女性にとっては毎日欠かせないメイクアイテムだが夫に言わせると「おばけみたい」だそうだ。夫はいつも日本人女性のバッチリメイクをみて「アイヤー」と驚いてビビっている。
日本人の私からすると、メイクをして外に出ることはエチケットの一種である。濃いメイクが好きな女性もいれば、薄いメイクが好きな女性もいるし、それは個人の好みの問題であって、どんなメイクであろうが夫のような嫌悪感や恐怖心は一切抱かない。さらに日本人女性のメイク事情はかなり複雑で、一見かなり薄いメイクに見えても、その「薄く見える」メイクのために何時間もかかっている場合もある。
中国でも化粧をする女性はもちろんいるし、その数は時代とともに増えてきているのかもしれない。しかし中国ではまだまだ「すっぴん至上主義」の人が少なくなく、夫のようにバッチリメイクをしている女性を見てびっくりしている中国人男性もいる。夫いわく、バッチリメイクをしている女性は「悪い女性」のイメージなのだそうだ。私は日本人なので「ギャルメイクの子でも意外と純粋な女性は多くて、逆にナチュラルメイクでも実は腹黒い女性もいるよ」という意見なのだが、中国人夫の化粧観は良くも悪くも単純なので「すっぴん=純粋な良い女性、バッチリメイク=悪い女性」という図式が出来上がっている。
また、先日夫がテレビでラッパーの人々がだぼだぼの服を着てサングラスをかけて歌をうたっている様子を見て「お父さんとお母さんが見たら悲しむね」とポツリと言った。私は、親が見たらどう思うか、という視点でラッパーを見ているのがいかにも中国人らしいと思ったし、「だらしない服=悪い人」という単純なイメージがまだまだ中国人夫の中には強いのだと感じた。
夫は日本に来て一度だけ髪を茶髪に染めたことがあるが、親が悲しむと思って染めたことは一切隠していたらしい。今時髪を染めるくらいなんでもないような気がするが、中国人夫にとってはメイクも服装も髪色も「ナチュラル」が一番で、それは「親が見たらどう思うか」という視点の元に成り立っている。
そんな夫なので日本人女性のする「すっぴんメイク」を理解するのは、かなり難易度が高い。これからも夫は日本人女性の清潔なバッチリメイクを見て「アイヤー」とびびりまくることだろう。
■筆者プロフィール:むらさわりこ
1989年日本生まれ。22歳の時に2歳年上の福建省出身の中国人男性と結婚。英語を独学で習得後、英会話講師として働く傍ら中国のテレビなどを通し中国語も独学で習得。趣味は語学と読書。図書館があまりに好きで毎週通っている。結婚前はベトナム、ニュージーランド、モンゴル、カナダ、ラオス、フランスなど様々な国を一人で渡り歩く。自分のやりたい事や面白い事に国境や言葉の壁は関係ないと考えている。
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