<コラム>中国の会社でつくったサッカーチーム、社員大盛り上がりも急速にしぼんでいった理由

曽賀 善雄    2018年7月12日(木) 19時50分

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W杯。わが社もサッカーで盛り上がったことが一度だけありました。私が駐在していたある時、社内にサッカーチームを作ろうか?と社員につぶやいたところ、これが大反響!写真はサッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会。

W杯。わが社もサッカーで盛り上がったことが一度だけありました。私が駐在していたある時、社内にサッカーチームを作ろうか?と社員につぶやいたところ、これが大反響!中国人はサッカーが大好き。社員達が自らメンバーを募集するなど、準備を整え意気揚々と結団。会社のロゴを入れたユニフォームを作り、土日にグラウンドを借りて練習が始まりました。

当時、仕事上では結構な大目標を掲げ、時には辛辣なことを言ったりしていました。日常の厳格さが業容の拡大には不可欠ではあるのですが、ただそれだけでは、潤いのない無味乾燥のぎすぎすした組織になってしまう可能性も多分にあります。そこで、オフタイムを利用して体を動かし、厳しさの中にものびやかな潤いのある組織と、チームワーク作りの一助になれば、との思いがその背景でした。

盛り上がったサッカーチーム。何度か練習を重ねるうちに困った問題が…。サッカーが大好きな社員とは言え、所詮は素人チーム。それに、ぴちぴちの若い社員ばかりではありませんでしたので、気ばかりが前に出て体力がついていかず、けが人が続出。中には転んで骨折し長期に欠勤する者も。

また、取引先のチームと何度か試合も行いましたが、残念ながら一勝もできず、せっかく大盛り上がりだったサッカーチームは、急速にしぼんでしまいうまくいきませんでした。

そんなことで、わが社のサッカーチームは成功したとは言えませんでしたが、練習や試合を見ていて、社内の営業部門の管理は5~6名を一単位として、それぞれに管理者を配置することを思いつきました。これが奏功し、以後、会社の業績は順調に拡大することができました。サッカーチームは失敗しましたが、その結果、仕事の面で彼らは盛り上がったのです!

それにしても、彼らは何故サッカーにこれほども燃えるのでしょうか?ある時、日本と中国それぞれのプロチームの親善試合を観戦した時のこと。両チームの動きが一番わかりやすいと思いバックスタンドの中央付近に席を確保しました。試合開始時刻には私の周囲は中国人のサッカーファンでいっぱい。地元チームがチャンスを迎えると競技場全体に地鳴りのような声援が沸き起こります。一方、日本チームがチャンスの時には、聞くに堪えないヤジとブーイングの嵐。親善試合であってもこんなにも燃えるのがサッカー。アウェーゲームの大変さをほんの少しですが知ることができました。異国に乗り込んでの仕事もいわばアウェー。諸氏のご苦労、お察しいたします。

■筆者プロフィール:曽賀善雄

1949年和歌山県生まれ。1971年大手セキュリティサービス会社に入社。1998年6月、中国・上海のグループ現地法人の総経理(社長)として勤務。2000年4月から13年近くにわたり中国・大連の現法で総経理(社長)として勤務。2013年1月に帰国、本社勤務を経て2014年7月リタイア。

■筆者プロフィール:曽賀 善雄

1949年和歌山県生まれ。1971年大手セキュリティサービス会社に入社。1998年6月、中国・上海のグループ現地法人の総経理(社長)として勤務。2000年4月から13年近くにわたり中国・大連の現法で総経理(社長)として勤務。2013年1月に帰国、本社勤務を経て2014年7月リタイア。

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