Record China 2018年6月16日(土) 10時0分
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東海道新幹線の列車内で起きた殺傷事件で、中国メディアは新幹線の利用時に保安検査がないことを一様に疑問視。「乗客の安全が重要」として、「新幹線に突き付けられた大きな課題」と指摘している。写真は新幹線。
2018年6月16日、東海道新幹線の列車内で起きた乗客3人の殺傷事件は、中国でも大きな関心を集めている。中国メディアは新幹線の利用時に空港同様の保安検査がないことを一様に疑問視。コストや利便性が理由とする一方、「乗客の安全が重要」として、「新幹線に突き付けられた大きな課題」と指摘している。
中国では高速鉄道など列車利用の際の手荷物検査は常識。乗車券購入や乗車の際にも公安(警察)が発行する身分証の提示を求められる。当局のブラックリストに名前があれば、乗車券すら買えない。北京や上海の地下鉄でも改札口で手荷物検査がある。
東海道新幹線では15年6月、71歳の男が車内に持ち込んだガソリンをかぶり、ライターで点火して自殺。女性1人が巻き添えで死亡する事件があった。事件後、手荷物検査などの安全対策を求める声が上がったが、防犯カメラの増設にとどまっていた。
騰訊網は日本の鉄道が保安検査を行わない理由として、まず「コスト高」を挙げた。「もし新幹線に空港と同じような保安検査を導入すれば、運賃は大幅に値上げされる。東海道新幹線の東京駅では検査待ちの行列をつくらないようにするために80のゲートを設置する必要があり、それぞれのゲートに係員3、4人を配備しなければならないという」と説明している。
さらに「東海道・山陽・九州新幹線には全部で46の駅があり、すべての駅に乗客数に見合った保安検査設備や人員を配備すれば、莫大(ばくだい)なコストになる」と言及。駅構内に大きなスペースの確保が必要になることにも触れている。
続いて挙げたのは「利便性の低下」。「時間にシビアな日本人は列車が出発する数分前に改札を通る。列車の運行と時刻表との誤差が少ないため、みんな行動計画をきっちりと立てる。もし新幹線で煩雑な保安検査が行われれば、外出に多くの不確定要素が加わることになり、その利便性や敏しょう性が大きく低下することになる」としている。
JR東海の金子慎社長は13日の記者会見で、新たな安全対策として12日から車内を巡回する警備員を増やしたことを明らかにした。しかし、乗客の手荷物検査については「利便性を著しく損ない困難」として導入を見送った。
殺傷事件を受け、中国のネットユーザーからは「安全検査をしないなんてちょっとひどすぎるだろ」「安全検査がないなんて恐ろしいな」「日本はなんて恐ろしい所だ。やっぱり中国の方が安全」などのコメントが相次いだ。中には「日本は地下鉄でも安全検査をしないし、そのことを誇らしく思っているんだよ。過去に地下鉄サリン事件があったというのに」との書き込みもあった。(編集/日向)
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