＜続報＞一家6人殺害事件、生き残った次男の悲しみ―吉林省長春市

2007年2月24日に発生した、一家6人が家族の者の手により殺害された事件の続報。

【その他の写真】

2007年2月26日、被害者董長青（ドン・チャンチン）さん宅では、一家の次男にあたる董波（ドン・ボー）さんが泣き崩れている。そして、伯父の董長江（ドン・チャンジアン）さんが彼の世話をしている。

この事件は、2月24日の夕方、村民からの通報を受けた警官が、事件現場となった朱園子村の董長青さん宅へと駆けつけ、6人の遺体を発見したことから発覚。警察は遺体を董長青さんと妻、長男、長女、次女と、同居している姪の6人で、全員が董さん宅で殺害されたものと断定した。その後、三男が行方不明になっていることが分かり、警察は董さん宅で三男の帰宅を待った。翌日の深夜に帰宅した三男はその場で警官たちに取り押さえられ、その後、三男の董カンは、犯行を全面的に認めた。

一晩で家族6人を失った董長青さん宅では、混乱が続いている。次男の董波さんの健康状態を聞いたところ、伯父の董長江さんが代わりに説明してくれた。「事件後、彼は食事もとっておらず、話もできない状態。時折泣き出してしまい、どう慰めたら良いか分からない」。

今後直面すると思われる最大の困難について尋ねたところ、董長江さんは「6体の遺体は今、火葬を待っているところだが、火葬には全部で8000元（約12万円）が必要だろう。この8000元を揃えなければ」と答えた。

突然、董波さんは独り言のように口を開いた。「私は一晩で家族6人を失ったが、間もなく7人目の身内を（処刑により）亡くすだろう。世の中にこれほど悲惨なことがあるだろうか」。

情報筋によると、事件後、地方政府やマスメディアはそれぞれさまざまな面で被害者に対する支援策を練っているとのことだ。（編集・佐々木康弘）