出稼ぎ時代の終焉?内陸部の発展で地元でも引く手あまたに―中国

Record China    2012年2月29日(水) 3時2分

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27日、中国内陸部の発展にともなって、これまで沿海都市へ出稼ぎに出ていた農民工が地元で働くことが可能になり、中国経済発展の歴史においてある種のターニングポイントを迎えている。写真は四川省の工場。

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2012年2月25日、英経済誌エコノミストは、中国内陸部の発展にともなって、これまで沿海都市へ出稼ぎに出ていた農民工が地元で働くことが可能になり、中国経済発展の歴史においてある種のターニングポイントを迎えていると報じた。27日付で環球時報が伝えた。

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四川省のある村では、「故郷に帰って働き、家族の世話を」と書かれたポスターが至る所で見られる。80〜90年代は、村から1000km以上離れた沿海都市で仕事をし、金を稼ぐことが村民の夢だった。地元政府も彼らの出稼ぎを積極的に推奨していた。

しかし、現在は事情が一変。多くの企業がより安い土地と労働力を求めて内陸部へ進出してきたことによって、この村が所属する成都市も大きな発展を遂げてきた。地元政府は村民に地元に残って仕事をしてもらうことを渇望しているという。

成都市へ働きに行く予定のある青年は「成都市での給料は沿海都市と比較しても遜色ないし、しかもより簡単に仕事が見つかる」と話す。一方、政府も地元に残った農民に対して、税制面での優遇や起業希望者への融資を約束するなど、状況は3年前には想像もつかなかったほど大きく変化している。

こうした変化を象徴する写真が重慶市の新聞に載り、大きな注目を集めた。写真は、警察官が帰郷した農民工の荷物運びを手伝っているもので、農民を軽んじることが常態化してきた中国では、これまで考えられないことだったからだ。

これらの状況は、農民工が遠距離を経て悪条件の工場で働き、悲惨な生活を送っていた時代が終わったことを表している。企業は安いコストを求めると同時に、中国国内市場を拡大するためにも続々と内陸部へ進出してくる。これが結果的に沿海都市と内陸部の給与格差を急速に縮める作用を及ぼした。

現在、四川省の多くの労働者は「沿海都市までの交通費と高い生活費を考えると、待遇はやや劣るが実家に近い場所での仕事に大きな魅力を感じ始めている」と語っている。(翻訳・編集/HA)

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