労働力人口の比率高い「人口ボーナス」が終焉を迎え、労働力不足が深刻化―中国

Record China    2012年1月26日(木) 5時53分

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20日、中国が今まさに「人口ボーナス」を失いつつあり、沿海地区で労働力不足が深刻化するなど、これまでの安価で豊富な労働力を利用した発展モデルの転換を迫られている、と香港紙が報じた。写真は11日、江蘇省徐州市の街角に張られたホテル従業員募集のポスター。

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2012年1月20日、香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、中国が今まさに「人口ボーナス」を失いつつあり、沿海地区で労働力不足が深刻化するなど、これまでの安価で豊富な労働力を利用した発展モデルの転換を迫られていると報じた。23日付で環球時報が伝えた。

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「人口ボーナス」とは、全人口に占める労働力人口が多く、経済成長が加速しやすい状態、期間をいう。中国国家統計局によると、昨年の労働力人口(15〜64歳)が総人口に占める割合は、前年比0.1%減の74.4%で、この10年間で初めて減少に転じた。一方で、60歳以上の人口は1億8500万人で総人口に占める割合は前年比0.47%増の13.7%、65歳以上の人口は1億2300万人で同0.25%増の9.1%だった。

この結果に対し、中国人民大学人口研究所の専門家・陳衛(チェン・ウェイ)氏は「慌てる必要はない。労働力は依然として増加しており、その増加率は高齢化率を超えている」と楽観的な見方を示し、労働力人口が減少に転じた原因として「50年代のベビーブーム、寿命の長期化、現在の出生率の低下」などを挙げた。

しかし一方で、労働力人口の減少に危惧を表明する専門家も存在する。アジア開発銀行中国代表処の高級アナリスト庄健(ジュアン・ジエン)氏は「最新のデータは、高齢化のトレンドと鮮明化する労働力不足を示している」とし、「労働力不足は中国各地区、特に沿海地区を悩ます問題となっている」と指摘。「人口トレンドの変化は中国の発展モデルの転換を要求しており、安価で豊富な労働力の供給を利用した発展モデルは二度と実現できない」と語る。

2040年には中国の高齢者人口が総人口に占める割合は約30%に達し、中国はやがて世界で最も深刻な高齢化問題に直面するとの研究もある。問題を深刻化させている原因の1つが一人っ子政策であることに疑いの余地は無い。(翻訳・編集/HA)

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