教え子が学校に来ない!生徒自宅に駆け付けた先生、一酸化炭素中毒の一家4人の命を救う―中国

Record China    2018年3月17日(土) 1時50分

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浙江省義烏市の稠州中学丹渓キャンパスの教師が12日、早朝の自習時間に姿を見せない生徒の自宅をただちに訪問したことで、一酸化炭素中毒になっていた一家4人の命を救うことができた。

中国メディアの法制晩報は14日、浙江省義烏市の稠州中学丹渓キャンパスの金暁珍(ジン・シャオジェン)教諭が12日、生徒の1人が早朝の自習に来ず、保護者との電話連絡もできないことを不審に思って生徒自宅を訪れたことで、一酸化炭素中毒になっていた一家4人の命を救うことができたと報じた。

稠州中学丹渓キャンパスでは、午前7時からの早朝自習を実施している。金教諭が受け持つクラスの劉さんは、必ず時間通りに出席していた。しかし12日朝には現れず、保護者から欠席するとの電話連絡もなかった。金教諭は劉さんの母、さらに父の携帯電話に連絡したが、応答はなかった。

金教諭は不審に思い、午前8時ごろになり、生徒1人を伴って劉さん宅を訪問することにした。同行を求めた生徒は集合住宅の劉さんの隣の部屋に住んでおり、劉さん宅に少しでも早く着けるよう道案内をしてもらうためだった。

劉さん宅についた金教諭はドアをノックしたが、反応はなかった。そこで、ドアをさらに強くノックし続けた。1、2分ほどノックしていると、教え子の劉さんが中からドアを開けた。劉さんは意識があり、ノックに気づいたのでドアを開錠したという。

劉さん一家は一酸化炭素中毒にかかっていた。一酸化炭素中毒は軽度の場合、頭痛、めまい、吐き気など風邪と似た症状が出る。劉さんも前日夜から同様の症状で、嘔吐(おうと)もした。劉さんは金教諭に対して、風邪をひいたと思ったので、両親に学校に欠席する旨を連絡してほしいと頼んでいたと説明した。

劉さんは金教諭に、両親は家を出たはずと説明した。金先生は、両親と連絡が取れない理由を確認しようと思い、改めて両親の携帯に電話してみた。すると、両親の寝室から電話の着信音が聞こえてきた。

金教諭は、劉さんの両親の寝室をノックした。5分ぐらいノックを続けると、寝室内にいた劉さんの母親がドアを開けた。体に力を入れられず、壁を伝って歩いてきたという。母親は気分が悪いと訴えた。金教諭は母親をトイレに連れて行って吐かせた。

劉さんの父親はベッドに横たわったままだった。意識はなく、手足が硬直して唇が紫色になっていた。金教諭は救急車の出動を要請した。劉さん一家は4人で、いずれも病院で治療を受けることになった。

劉さんの症状は比較的軽く、午前中は病院で高圧酸素治療を受けたが、午後には登校できるようになった。学校側は勉強の遅れを取り戻すために劉さんに対して補習を行っているが、体育の授業を受けさせることは見合わせている。

金教諭は、同中学は生徒および生徒家族との意思疎通を重視しており、一学期間に生徒十数人の家庭を訪問すると説明。一家4人の命を救うことになったことについては、「思いもかけないことだった」とした上で、生徒の状況を把握することは教師の仕事であり、他の教師でも同様の行動を取ったはずと述べた。(翻訳・編集/如月隼人

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