中国の軍備増強は「悪夢」と韓国紙、「領海・領空脅かす中国に何も言えない」と政府批判も

Record China    2018年3月11日(日) 16時50分

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中国の軍備増強が一段と進むことに韓国紙が「韓国にとって悪夢」と警戒している。さらに韓国の領海・領空が脅かされる事態も目立つと指摘。「中国に何も言えない韓国政府」も批判している。資料写真。

2018年3月10日、中国の今年の国防費が前年比8.1%となるなど軍備増強が一段と進むことをとらえ、韓国紙は「韓国にとって悪夢」と警戒している。さらに中国の艦船や軍用機が韓国の領海・領空を脅かす事態も目立っていると指摘。批判の刃(やいば)を「中国に何も言えない韓国政府」にも向けている。

朝鮮日報は社説で、5日に開幕した中国の全国人民代表大会(全人代)で政府が今年の国防予算を昨年より8.1%多い1兆1100億元(約18兆3900億円)に策定したと発表したことを取り上げ、韓国への影響に言及した。

この中では国防費の伸びについて「今年の経済成長率目標値6.5%をも上回る数字だ」と説明。「中国初の空母は実戦投入され、2隻目の空母は進水し、3隻目の空母は建造が進んでいる。ステルス戦闘機J20は最近、韓半島(朝鮮半島)近くの山東半島に配備された。最近中国軍が韓半島有事に備えた訓練を強化した、との報道も頻繁にある」と危機感を募らせている。

その上で「習近平国家主席は『韓国は中国の一部だった』という認識を持つ人物だ。中華主義、覇権意識を隠しもしない。中国は問題を力で解決しようとする国だ。中国の軍事力が大きくなっているだけに、その力は第一次的には韓半島を覆い尽くそうとするだろう」と危惧。「歴史的に中国の『強軍の夢』は韓国にとって悪夢だった。悪夢の再現を防ぐ力と知恵が切に必要だ」としている。

さらに朝鮮日報は別の社説で「中国人民解放軍の艦艇が昨年、西海(黄海)で韓中両国の中間線を80回以上にわたり越えていたことが分かった。これは前年の8倍に上る数で、今年もわずか2カ月で20回を上回っている」と問題視。「韓半島とその周辺海域を自分たちの影響圏に置くという長期的な目標があるからだ。覇権的な性向を隠そうとしない習主席が語る『中国夢』はこのような形で韓国に迫ってきているのだ」と警鐘を鳴らした。

韓国政府に対しては「中国の顔色をうかがうばかりだ。防空識別圏(ADIZ)が侵犯された時も中国大使を呼びはしたが、その事実を公表したのは翌日になってからだった。中国が随時、排他的経済水域(EEZ)や中間線を侵犯しているとの報道についても、政府は何もコメントしていない」と論難。「米国には『堂々と、決然とした対応』を語り、日本とも衝突は辞さないような口ぶりだが、中国に対してはあまりにもその態度が違う。中国による海と空での無謀な行動に沈黙を続けることは、政府としての基本的な義務を放棄することにつながるのだ」と糾弾している。(編集/日向)

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