内閣改造で苦境を乗り切ろうとする野田首相―中国メディア

Record China    2012年1月14日(土) 17時20分

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14日、中国メディアは野田政権の内閣改造について、震災後の再建加速、党内の政治的調整と人事調整、消費増税というハードルを乗り越えることが重要な課題になると指摘した。写真は11年12月、訪中した野田首相。

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2012年1月14日、新華ネットの報道によると、野田佳彦首相は13日、内閣を改造した。野田政権が誕生してから半年足らずのうちに行われた内閣改造は、やむを得ない側面もあるが、主動的に変化を求めた側面もある。震災後の再建を加速すること、党内の政治的調整と人事調整を進めること、消費増税というハードルを乗り越えることが、新内閣の重要な課題になる。

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昨年8月、震災後の再建が遅れ、政局が混乱し、不安定になるなか、控え目な野田氏が民主党の党首選挙で勝利した。党内の矛盾を緩和し、国民の信頼を回復するため、首相就任直後、野田氏は「安全運転」という旗印を掲げ、内閣の人選では、適材適所ではなく、党内勢力のバランスをはかることを優先させた。この手法は当時、確かに功を奏し、野田内閣誕生直後の支持率は60%を超えた。

しかし「安全運転」は最終目標では、一時しのぎの政権運営手段にすぎなかった。そのため、閣僚の早期「退陣」が絶えなかった。まず鉢呂吉雄経済産業相が、原発事故をめぐる失言によって、就任後10日足らずで辞任した。一川保夫防衛相と山岡賢次国家公安委員会委員長兼消費者行政担当相も先ごろ、大臣にふさわしくない言動を野党から厳しく追及された。昨年12月、野党が過半数を占める参議院は、上述の2人の閣僚に対する問責決議案を採択し、この2人を交代させなければ国会の討議に応じない、と野田氏に圧力をかけた。

野田政権が主導する、消費税率引き上げの財政改革も幕を開けた。政府が1日採択した社会保障と税の一体改革案によると、現行の5%の消費税率は2014年4月から8%、2015年10月から10%に引き上げられる。日本の政治史をみると、消費税の引き上げは政権の「鬼門」になっている。消費税を最初に導入した竹下登政権も、消費税率を5%に引き上げた橋本龍太郎政権も、税率を改革したあとの参議院で敗れている。

野田氏は新しい年を迎えて雄大な志を示し、いかなる代価も惜しまない、消費税を含む税制改革は絶対に放棄しないと表明した。しかし「安全運転」のスローガンのもと、「野田号」が政治的泥沼と人事の泥沼に陥り、「増税」というハードルを乗り越える力が足りなくなり、泥沼のなかで「火が消えようとしている」ことも事実である。この兆候はすでに現れてきている。昨年末、民主党の国会議員10人が消費税率の引き上げに反対することを理由に離党した。最近の民意調査によると、野田政権の支持率は、政権誕生当時の半分を割っている。

今回の内閣改造では、17人の閣僚のうち5人が交代した。改造は中程度のものだが、内容はかなり現実的なものになっており、野田氏が「安全運転」から「坂道発進」にギアチェンジしたことを示すものだ。1、防衛相と消費者行政担当相の交代は「マイナスの要因を減らす」ことができる。野党の批判を封じることができるばかりでなく、実質的な「交代」と内閣改造を同時に進めることによって、この2人と野田氏自身の面子を保つこともできる。2、岡田克也前幹事長の副首相兼社会保障・税一体改革相としての入閣は、一体改革の推進に「力を注入」するためのものだ。日本の政界では、岡田氏は「原理主義者」と呼ばれており、目標が決まれば、絶対に後退しないし、妥協もしない。この姿勢は消費増税問題における野田氏の立場と一致する。

「マイナスの要因」を減らし、一体改革を推進する「力も注入」したが、改造を行った「野田号」が「坂道発進」に円滑にギアチェンジできるかどうかは、政策と民意の間の大きな溝を埋めることができるか否かにかかっている。この溝を埋めることができなければ、内閣を改造したとしても安定した「運転」はできない。(編集/TF)

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