Record China 2011年12月22日(木) 18時18分
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22日、新華ネットの報道によると、中国・四川省の成都パンダ繁殖飼育研究基地は来年1月11日、野生化訓練を終えた6頭のジャイアントパンダを「パンダ・バレー」に放つ。写真は11年10月、四川省の成都パンダ繁殖飼育研究基地で。まだ幼いパンダたちの日光浴。
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2011年12月22日、新華ネットの報道によると、中国・四川省の成都パンダ繁殖飼育研究基地は来年1月11日、野生化訓練を終えた6頭のジャイアントパンダを「パンダ・バレー」に放つ。人工的に繁殖・飼育されたパンダが野生に帰る時代を迎える。成都ジャイアントパンダ繁殖飼育研究基地が21日、北京で記者会見し明らかにした。
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中国国家林業局野生動物保護課の張陝寧氏は、「今回の措置は野生パンダの小さな種群の生存環境を改善するために実施される。野生パンダの生存状況は決して楽観視できない。人工飼育したパンダを自然に帰すことで、小さな種群の活性化を促していく」と説明した。
人工繁殖と飼育は、絶滅危惧種を本来の生息地域とは別の場所で保護する重要な方法の一つで、人工的に繁殖させた個体を自然に帰すことによって野生の種群維持・拡大することが、事業の最終的な目的である。成都ジャイアントパンダ繁殖飼育研究基地の張志和主任によると、今回、野生に帰されるパンダは「シンロン(星蓉)」「シンヤー(星雅)」「コンザイ(功仔)」「インイン(迎迎)」「ジージー(芝芝)」「チチ([王其] [王其])」の6頭。人間ではまだ子供に相当し、発育が速く、度胸があり、生存環境への適応力が比較的高い。「シンロン」と「シンヤー」は双子で、「コンザイ」はハリウッド映画「カンフー・パンダ」のモデルとなった。
人工飼育された個体を適切に自然へ帰すことで、種群の環境適応力を高め、変化への対処能力を高めるとともに、近親交配を減らし、遺伝子の多様性を高めることができる。また、自己繁殖する種群の個体数を増やすとともに、増え続ける人工飼育パンダがもたらす負担を減らすこともできる。
地質や気候などの影響によりパンダは現在、青海チベット高原の東縁だけに生息し、生息数はわずか1596頭にすぎない。道路開発、森林伐採、人口増加などが原因で、一部のパンダの生息地と種群の交流が遮断されている。1980年代以降、中国は約10回にわたりパンダを野生に帰すことを試みたが、理想的な結果は得られなかった。野生に帰したあと死亡している事実は、多くのパンダ研究者も否定していない。彼らによると、理論的には死亡する可能性もあるが、今回できる限りの準備はしたため、その確率をできる限り引き下げることはできたという。
張志和主任は次のように述べた。これまでの1年間、同基地では血統、健康、遺伝的背景、性別比率などさまざまな分野で詳しい調査を行い、最終的な「先遣隊」を決めた。6頭のパンダが順調に野生へ帰れるように、行動や活動の特徴、栄養、エネルギー消費などの分野で全面的な観測と管理を行った。パンダを野生に帰す成功率を高めるため、都江堰市と成都市のジャイアントパンダ繁殖飼育研究基地は3億元を出資し、133.6ヘクタールの土地を確保して、パンダが生存できる環境に整えるという。
成都ジャイアントパンダ繁殖飼育研究基地では108頭のパンダを飼育しており、世界最大の人工飼育基地となっている。1987年の設立以来、109回の出産で161頭のパンダが産まれていて、119頭が成長している。現在飼育されているパンダは、病気や飢えで保護された6頭の野生のパンダの子孫である。“パンダ再生の父”と呼ばれる張志和主任は「過去50年間にわたってわれわれはパンダを救助し、人類とパンダが自然のなかで共存できるように努力してきた。今後50年間、できればそれ以上の期間、われわれはパンダを野生に帰す試みを続けていく。今回の試みは、成都を『パンダの故郷』にするという歴史的使命を実現させるためのものだ」と語った。
張志和主任によると、有名な元プロバスケットボール選手である姚明がイメージ大使として、来月の式典に参加する。
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