訪日中国人観光客に「日本体験」を提供、中国・親途網が日本との提携拡大に意欲

BRIDGE    2018年2月5日(月) 10時10分

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訪日中国人観光客の興味は「モノ」から「コト」へと変化したが、「どこでどんな体験ができる」といった情報は中国市場に十分伝わっていない。関連情報を紹介する親途網の張輝氏に話を聞いた。写真は親途網担当者によるプレゼン現場。

日本を訪れる中国人観光客の興味は「モノ」から「コト」へと変化したが、「どこでどんな体験ができる」といった情報が中国市場に十分伝わっていないのが現状だ。こうした中、中国人観光客に日本の体験プログラム情報を提供する親途網(kintou)創始者の張輝氏が取材に応じた。

日本政府観光局(JNTO)の発表によると、2017年の訪日外国人客数は前年比19.3%増の2869万人に達し、同局が統計を取り始めて以降、最多となった。うち、中国人客は初めて700万人を突破し、前年比15.4%増の735万5800人に。3年連続で国・地域別トップとなり、中国人観光客の訪日ブームの高まりが改めて示される結果となった。

現在、訪日旅行の主力となっているのは20代-30代の旅行者で、「日本で化粧品を買うのは大好きだが買い物が旅の主な目的ではない」と話す北京出身の孫さんもそのうちの一人だ。孫さんは「旅行で一番重要なのはたくさんのことを体験し、人と触れ合うこと。日常生活に必要な物は中国で買えるから」とも語る。中国の若い世代はより自由に行動できる個人旅行を好む傾向にあり、旅先でのお金の使い方も以前の「爆買い」から「コト消費」へと変化。日本独自の生活スタイルを体験してみたいという人も増え、博物館めぐりや日本文化体験などへの関心も高い。

ただ、こうした個人旅行者らは情報不足という問題にも直面している。「日本でいろいろなことを体験してみたいが、どのようなものがあるのか分からない」というのはよく聞かれる言葉だ。このニーズに対応しようと中国で開設されたのが親途網で、同サイトを立ち上げた張輝氏は「中国の大手旅行サイトが顧客に紹介する『日本体験プログラム』は和服と茶道くらい。しかし、日本には豊富な観光資源があり、魅力的なアクティビティーはこれだけにとどまらない」と語る。張氏によると、茶摘みや東京マラソン出場、職人に扮した畳製作も中国人受けしそうなプログラムなのだそう。

張氏はまた、「定番の観光スポットを訪れて写真を撮り、観光バスで次の目的地に向かうといった旅では国際化の時代に暮らす顧客のニーズを満たせない。似たような旅行商品ばかりという現状を変えたかった」と話し、「旅先での体験を重視する顧客にわれわれのサービスでバリエーション豊かな旅を提供したい」ともコメントする。張氏によると、親途網は現在、100を超える日本各地の観光客向け体験プログラムを扱っており、中国の大手旅行サイトと協力してこれらを中国で紹介。日本の個人、業者との提携をさらに拡大させたい考えで、「体験プログラムを行っている方からの連絡は大歓迎。データに不備がなければ翌日にサイトに掲載することだってできる」と力を込めた。(提供/Bridge・編集/Asada)

※親途網に関するお問い合わせは担当(厳)まで:renshujian@hotmail.com

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