<コラム>ちょっと昔の中国の話(2/2)=いかがわしい疑いの次はスパイ容疑?

如月隼人    2018年1月27日(土) 10時40分

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前回に続き、内モンゴル自治区で、警察官に「とんでもない疑い」をかけられた話です。写真は内モンゴル自治区。

前回に続き、内モンゴル自治区で、警察官に「とんでもない疑い」をかけられた話です。大草原のど真ん中にある小さな街に立ち寄った。宿はホテル式でなく、男女それぞれの大部屋が2つずつあるだけ。予約していたのに、なぜか男性は2部屋とも満室と言われた。

困っていたらモンゴル族のおばちゃん2人が助けてくれた。女性客は比較的少なく、1部屋は満室だけど、もう片方の部屋はそのおばちゃん2人しかいない。だから、その2人のベッドをもうひとつの女性部屋に運び入れてしまって、私は本来なら女性用の部屋に泊まればよい。ということでした。

ところが翌朝になり警察官がやってきて、「この部屋に泊まっていた女性はどうした?」と、私の“取り調べ”を始めたという話でした。

一番悪いのは、昨日のフロント担当だ。私が宿泊することを書き込んだのはよいが、女性2人が別部屋に移動したことは記録しなかったようだ。

中国の宿泊施設を利用する際には、中国人は身分証、外国人もパスポートとか長期滞在者なら居留証を提示する必要があります。氏名や年齢、性別、居住地などが記録される。つまり、私とモンゴル族の女性2人が合い部屋になったとの記録。「日本人の男が中国人女性2人とお泊りした」ということになってしまった。警察官が「この室内で、どれだけいかがわしい光景が繰り広げられたのか」と疑うのも無理はない。

幸いにして、しばらく説明して疑いは晴れていったみたいです。まあ、私の容貌をみて、不埒(ふらち)なことはしそうもないと信じてくれたのでしょう。つぎに、ベッド2台分ぐらいのスペースが確かに空いている。昨日のモンゴル族のおばちゃん2人はもう出発していたし、フロントの担当者も交代していたのですが、別の従業員が私の泊まった大部屋について「ふだんはそこにベッド2台を置いているはず」と言ってくれた。これが決め手だったかな。

ただ警察官は、「記録を作らねばならないので派出所に来てほしい」と言い出した。面倒だけど、従わざるをえないか。と、警察官は私に向かって「どうしてこんな小さな街に来たのか」などと言い出した。

ううむ。“不純異性交遊”の疑いが晴れても「スパイの疑い」なんてかけられたら、事態はずっと悪くなる。そこで、友達の名を出して誘われたと説明した。名前を出しても規則や法律に違反しているわけではないので、迷惑はかからないだろうと判断したわけです。

と、警察官の表情が急に変わりました。一転してニコニコ顔。「おお、あいつか。私も友達だ」と言い出した。それからしばらく雑談して、警察官は引き揚げていきました。なぜか、私が派出所に行く必要もなくなったみたいだ。

さらにしばらくして、私の友達がやってきた。事情を説明すると大笑いして「だから言っただろ。こんな場所では、知り合いがいれば何とでもなるんだよ」と勝ち誇ったように言いました。

結局、その宿は引き上げて、その日からは友達の家に世話になりました。日も暮れれば宴会です。宿で私を取り調べた警察官もやってきて、皆で大いに盛り上がったのでした。

蛇足のようですが、友達の名や具体的な地名をご紹介するのはやめることにしました。ずいぶん昔のことですし大丈夫とは思うのですが、やはり規則違反ですからね。万々が一にも迷惑はかけたくありませんから。読みづらくなってしまったと思いますが、ご理解いただければ幸いです。

■筆者プロフィール:如月隼人

日本では数学とその他の科学分野を勉強したが、何を考えたか北京に留学して民族音楽理論を専攻。日本に戻ってからは食べるために編集記者を稼業とするようになり、ついのめりこむ。「中国の空気」を読者の皆様に感じていただきたいとの想いで、「爆発」、「それっ」などのシリーズ記事を執筆。

■筆者プロフィール:如月隼人

1958年生まれ、東京出身。東京大学教養学部基礎科学科卒。日本では数学とその他の科学分野を勉強し、その後は北京に留学して民族音楽理論を専攻。日本に戻ってからは食べるために編集記者を稼業とするようになり、ついのめりこむ。毎日せっせとインターネットで記事を発表する。「中国の空気」を読者の皆様に感じていただきたいとの想いで、「爆発」、「それっ」などのシリーズ記事を執筆。中国については嫌悪でも惑溺でもなく、「言いたいことを言っておくのが自分にとっても相手にとっても結局は得」が信条。硬軟取り混ぜて幅広く情報を発信。

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