2011年11月9日、ロイターは「高級車メーカー、中国の中小都市進出に意欲」と題した記事を掲載した。10日付で環球時報（電子版）が伝えた。

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陳●頴（チェン・ベイイン、●は草かんむりに倍）さん（29）は1台14万1700ドル（約1100万円）のメルセデス・ベンツE350の飾り付けに喜びを隠せない様子だ。彼女の豪華な結婚パレードの車列にはベンツS600が12台も加わる。「父はベンツのSシリーズで、夫はCシリーズに乗っています。だから、父に結婚の贈り物に何が欲しいかって聞かれた時、ベンツって言ったんです」

高級車メーカーがこの傾向を放っておくはずがない。陳さんの住む浙江省慈渓市は上海市の5分の1ほどの大きさしかないが、1人当たりの所有財産は上海に匹敵する。この町は3分の1の家庭が豊かな自営業だ。アウディ、BMW、レクサスはすでに拠点を構え、上海から車で2時間の距離にある同市郊外にギャラリーを備えている。ジャガーとランドローバーも進出を予定している。

中国の自動車市場は2、3年前から比較的小規模な都市へ移ってきている。2010年から当時の中国政府による大々的な景気刺激策が自家用車購入ブームを呼び、内陸部にも多くの富裕層が誕生した。中国政府が大都市の交通渋滞を懸念していることも、自動車市場の転換を促している。北京、上海などの大都市では、ナンバープレートの規制など市民に対する自家用車購入制限が始まっている。米コンサルティング会社JDパワーによれば、2004年には高級車販売の60％近くが北京、上海、広州などの大都市に集中していたが、現在は50％になっている。これは、陝西省●林（ゆりん、●は諭の言偏を木偏に）市、浙江省紹興市、内モンゴル自治区オルドス市などの小都市の高級車販売数が増加したことによるところが大きい。だが、高級車メーカーの小都市への進出には、正確な市場傾向の掌握や人材不足など課題も山積している。（翻訳・編集/渡邊英子）