中国の債務、実額は政府公表額よりもはるかに大きい―英紙

Record China    2011年8月18日(木) 5時21分

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15日、英紙フィナンシャル・タイムズ(中国語版サイト)は、米国債の格付け引き下げに関連して、中国にも債務問題が存在するのではないかと指摘した。資料写真。

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2011年8月15日、英紙フィナンシャル・タイムズ(中国語版サイト)は、米国債の格付け引き下げに関連して、中国にも債務問題が存在するのではないかと指摘した。以下はその概要。

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今月初旬、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国債の格付けを1段階引き下げたことに関連し、中国政府系のメディア新華社通信は「米国政府はその苦痛の事実を受け入れなければならない。国債の発行をもって自ら招いた問題を解決する時代はすでに終わりを告げている」と厳しく批判した。

この批判の背景には、「中国は米国と違い、歳出入のバランスのとれた常識ある国家である」との主張が隠されている。事実、中国政府が公開している2010年末の債務額とGDPとの比率は17%前後であり、米国の87%、英国の80%、日本の210%などと比較するとはるかに小さい。

しかし、中国の実情は政府の公開する数字通りというわけでもない。一般に国家の債務を論ずる際には、格付け機関は「政府の負債総額」という概念を使用する。これには中央政府・地方自治体の債務や社会保障資金などが含まれ、多くの先進国の負債比率はこの方式によって計算されている。

08年の金融危機に際して、中国政府は景気刺激策を実施し、巨額の債務を負った。しかし、これらの債務は特殊な融資項目に数えられ、政府本体の負債としてカウントされていないという。また、北京に活動拠点を置く経済研究機関ドラゴノミクス(GaveKal-Dragonomics)は、「中国政府では、異なる部門によって地方自治体の債務への評価が異なる」と断った上で、比較的信頼できる数字として、昨年末時点の地方自治体債務のGDPに対する比率を37%としている。さらに、その他政府系の債務として、鉄道部の債務や国家政策下の銀行が発行する債権、国営銀行の不良債権などを加算すると、債務のGDPに対する比率は90%に達すると指摘する。

重要なことは、中国の実際の債務は、政府が認めているものよりもはるかに大きく、これらの大部分が金融危機への対応など、過去数年間で積み上がってきているということである。ただし、中国の債務は、多くがインフラ建設に使われており、将来の経済的利益を生み出す可能性があるという点で、米国のように国防や社会福祉を用途とするものとは異なる。

中国の財政状況は、中国政府が望んでいるほど良好なものではないが、急速な経済成長が多くの問題を見えにくくしている。とは言うものの、西側諸国の状況に比べればかなりましであるが。(翻訳・編集/HA)

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