旧満州の慰霊碑撤去、「不適切な世論誘導で民族主義者の標的に」―中国人学者

Record China    2011年8月10日(水) 5時27分

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9日、中国黒竜江省で起きた旧満蒙開拓団員の慰霊碑撤去で、北京のある有名大学教授は「メディアの不適切な世論誘導で、(慰霊碑が)過激な民族主義者の標的となった」と語った。写真は慰霊碑に赤いペンキをかけた反日団体のメンバー。

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2011年8月9日、中国黒竜江省方正県に建てられた日本の旧満蒙開拓団員の慰霊碑が撤去された問題で、北京のある有名大学教授はこのほど、匿名を条件に電話取材に応じ、「一部メディアによる不適切な世論誘導のせいで、(慰霊碑が)過激な民族主義者の標的となってしまった」と語った。シンガポールの華字紙・聯合早報が伝えた。

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同教授は、1945年8月に方正県にいた日本人のほとんどが農民で、老人や女性、子供も多く、「亡くなった約5000人もまた、日本軍国主義の被害者だった」と指摘。「方正県の人々による慰霊碑の建立は人道主義の表れだった。しかし、メディアが建立の経緯をきちんと伝えなかったため、“侵略者のために建てられた”と解釈され、過激な民族主義者の標的となった」と語った。さらに、方正県政府に対しても「行政当局が建てたのではなく民間人が建てたのであれば、これほど大きな反発は招かなかった」との見方を示した。

さらに、日本軍の中国侵略について、同教授は「中国人にとって当然忘れることはできないが、一般の日本人を恨むべきではない」と強調。「今の中国では日本をののしり、政府をののしれば英雄とみなす風潮がある。非難されるべきは軍国主義だ。それを誤ると何の進歩も得られない」と話した。

同問題では方正県が建立した慰霊碑に対し、インターネット上で「侵略者を慰める必要はない」と批判が集中。反日団体のメンバーらが碑に赤いペンキをかけ、一部を破壊するなどしたため、県政府が撤去を決めた。(翻訳・編集/AA)

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