Record China 2018年1月16日(火) 9時50分
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15日、脱北者らが韓国に定着する中でどのように文化芸術を受け入れるかについてまとめた「脱北者の韓国文化芸術受け入れ態度の分析」報告書が公開された。資料写真。
2018年1月15日、脱北者らが韓国に定着する中でどのように文化芸術を受け入れるかについてまとめた「脱北者の韓国文化芸術受け入れ態度の分析」報告書が公開された。韓国・東亜日報が「テレビが趣味の脱北者」との見出しで伝えている。
同報告書は、韓国文化観光研究院のチョ・ヒョンソン研究委員が脱北者33人に対し深層インタビューを行ない、北朝鮮居住時期から現在までの文化芸術に対する考えの変化の様子を分析したもの。
それによると、北朝鮮住民の文化芸術生活はテレビ視聴と映画の団体観覧が主流をなしており、主に金一成(キム・イルソン)一家を偶像化した作品が大半を占めるという。1990年代半ばに脱北した50代男性によると「北朝鮮ではだまされているという事実を一度も感じたことがなかった」そうで、「文化芸術作品=事実」と認識されていることが分かる。しかし90年代後半から韓国の大衆文化コンテンツが急速に流入し、認識にも変化が見られるようになった。2000年代後半に脱北した20代男性が「韓国ドラマの車が渋滞するシーンが最も衝撃的だった。北朝鮮では考えられない。また、家ごとにソファーがあるのにも驚いた」と話すなど、劇中の韓国の発展した姿は北朝鮮住民に大きな衝撃を与えたようだ。
では脱北後間もない頃はどうだろうか。彼らは「陰謀」や「裏切り」といったドラマではなく、「ファミリーもの」のような現実を基盤としたコンテンツを好む傾向があるという。その理由として、2000年代後半に韓国に来た40代の女性脱北者は「罪を被って監獄に行くドラマを見ると、心臓が止まりそうに感じる。つらかった北朝鮮と中国での生活を思い出すから」と話した。
さらに、韓国での生活が長くなるほどドラマの代わりにバラエティーやドキュメンタリー、ニュースなどを好んで見ることが分かったという。韓国に来て3年になる40代の女性脱北者は「見え透いた展開で内容が刺激的なドラマは現実と異なるため共感できない」とし、「最近ではバラエティー番組を好んで見る」と伝えている。
ただし韓国に来てからも故郷に対する郷愁は残っており、脱北者が出演する番組を視聴することもあるという。
一方、脱北者が映画館や美術館、博物館、公演会場を訪れて観覧することは極めてまれであることも判明した。多くが経済活動に忙しく「時間的余裕がない」という理由からだという。これについて、チョ研究委員は「脱北者らが経験する困難のうち、文化への適応(42.2%)が経済的困難(61.3%)の次に高かった。脱北者らに向けたさまざまな文化芸術支援政策が並行して行われなければならない」と助言している。
これを受け、韓国のネットユーザーからは「非現実的で見え透いたストーリー。北朝鮮の人が一番よく知ってるなんて(笑)」「韓国人もドラマに言いたいことは山ほど」と韓国ドラマについて自虐的なコメントが寄せられ、脱北者に対し「現実とドラマは違う。命をかけて脱北してきたのだから、早く適応して一生懸命生きてください」「やっと手にした自由なのだから、バラエティーであれドラマであれ何であれ、生きる源にしてしっかり適応してください」とのメッセージが送られている。
また、近年の韓国について「今の韓国も同じ。時代物の映画ばかり作って人々を過去に止まらせようとする」「北朝鮮の内部は変わってきてるのに、文在寅(ムン・ジェイン)政府は太陽政策(1998年から2008年まで韓国政府が採用していた北朝鮮への外交的緊張緩和政策)で思考がストップしてる」と警鐘を鳴らすコメントも。
その他、北朝鮮の住民に対し「金正恩(キム・ジョンウン)も問題だけど、北朝鮮の人々にも問題がある。自らの運命を開拓できずに抑圧ばかりを恐れていることも間違いだ」との指摘も上がり、中には「脱北者がこれ以上増えないよう、これからは北朝鮮を開放する政策を推し進めるべき」と提案するユーザーもみられた。(翻訳・編集/松村)
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