<大気汚染>PM2.5の環境基準は設けず、14年ぶりの大気汚染基準改正で―中国

Record China    2011年2月3日(木) 13時49分

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30日、中国で大気汚染に関わる環境基準「環境空気品質基準」が14年ぶりに改正されることになったが、肺がんや心臓病などの原因とされる有害な微小粒子状物質「PM2.5」の環境基準の設定は見送られることが分かった。写真は昨年12月の甘粛省蘭州市。

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2011年1月30日、中国で大気汚染に関わる環境基準「環境空気品質基準」が14年ぶりに改正されることになったが、肺がんや心臓病などの原因とされる有害な微小粒子状物質「PM2.5」の環境基準の設定は見送られることが分かった。経済観察報が伝えた。

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PM2.5とは、大気中の粒子状物質のうち粒径2.5μm以下の小さなもので、肺の奥深くまで入りやすいことから健康への悪影響も大きいとされ、世界的に環境基準の設定が当たり前になりつつある。日本で2009年に設定された基準は米国と同じで、年平均値が1立方メートルあたり15マイクログラム以下、1日の平均値が1立方メートルあたり35マイクログラム以下となっている。

中国でも環境保護部が3カ月前に「環境空気品質基準」の意見募集稿を公開したところ、PM2.5の環境基準を加えるべきとした割合は92.6%に達した。ところが、昨年10月に行われた中国環境科学研究院、環境保護部環境基準研究所など専門機関による会議で、PM2.5の環境基準を加えるのは「時期尚早」と判断された。観測体制が整っていないことなどが主な理由だという。

そのため、「参考値」として(1)年平均値が1立方メートルあたり15マイクログラム以下、1日の平均値が1立方メートルあたり35マイクログラム以下、(2)年平均値が1立方メートルあたり35マイクログラム以下、1日の平均値が1立方メートルあたり75マイクログラム以下―の2段階を設けるに止まった。

中国が発表している大気汚染指数(API)にはPM2.5の数値は含まれておらず、以前からその結果に疑問の声が上がっている。米航空宇宙局(NASA)が昨年9月に発表した世界の大気汚染地図(2001−2006年)では、中国の華北、華東、華中地域のPM2.5の年平均値は50〜80マイクログラム/立方メートルに達しており、世界で最も濃度が高い地域とされた。(翻訳・編集/NN)

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