2010年12月27日、米誌タイムは「中国人はなぜお金を使いたがらないのか」と題した記事を掲載し、その原因として「収入や将来に対するに対する不確実性」を挙げた。29日付で環球網が伝えた。以下はその内容。

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「ショッピングに最もお金を使うのは誰か」と問われたら、中国人を思い浮かべるだろう。世界が経済危機に直面した不景気の中で、中国だけが9％以上の高成長を実現するなど、中国人の収入は激増し、就業の機会も大幅に増加しているからだ。

しかし実際の情況はそうではない。彼らの収入は過去のいかなる時に比べても増えているが、一般の市民はお金を使いたがらない。収入の増加に伴い、貯金する傾向がより鮮明になってきている。

なぜ中国人はそんなにもお金を貯め込むのか？ハーバード大学経済学部の博士らが80年代以降の中国人家庭の収入データを分析した結果、「中国人の収入増加に伴い、不確実性も増加したため」との結論に達した。

それによると、物価変動などの要素を排除した中国人家庭の平均収入は、1989〜2006年までの期間に1万2830元（約16万円）から3万2040元（約40万円）へと3倍近くに増加した。これは中国の改革開放政策によるところが大きく、これによって世界の投資家が中国経済に注目し、貿易も開放され、市民はより自由に事業を展開できるようになり、民間企業も大幅に増加した。

しかし、市民の生活に対するリスクも高くなった。彼らの多くは国営企業の職員ではなくなり、民間企業の社員となったためだ。その結果、職業の安定性に対する保障は大幅に低下し、さらに退職後の生活を維持するための新たな養老制度が必要となった。

中国経済のこうした変化は、若年層と高齢者層の貯蓄率が高い「U字型の貯蓄パターン」を出現させた。若年層は将来の不安定な収入のために備える必要があり、高齢者層は退職後の生活のためにお金を貯めざるを得ないのだ。（翻訳・編集/HA）