土地の所有権がない中国の庶民、「マイホーム」とは名ばかり―中国紙

Record China    2010年9月3日(金) 18時28分

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8月31日、中国では買ったばかりのマンションがある日突然、取り壊しの対象になることがある。実は庶民が大枚はたいて買っているのは建物と土地の「使用権」のみ。「所有権」は政府が握っているのだ。写真は江蘇省のマンション建設予定地。

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2010年8月31日、中国では買ったばかりのマンションがある日突然、取り壊しの対象になることがある。実は庶民が大枚はたいて買っているのは建物と土地の「使用権」のみ。土地の「所有権」を持つ政府が「やっぱり貸さない」と言えば、それまでなのだ。南方都市報が伝えた。

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中国では土地の全てを政府が所有しており、庶民が購入できるのは建物とその土地を70年間使用する権利のみ。高いローンを組んで買ったマイホームだが、実は厳密に言えば政府という大家さんに土地を借りているだけなのだ。それでも、購入時にはきっちり譲渡契約を結んでいる。それがなぜ、買ったばかりのマンションから追い出される羽目になってしまうのか。

ちょうど江蘇省常熟市内の分譲マンションでも、「15日以内の立ち退き」を求められた住民らが取り消しを求める裁判の準備に追われている。ここのマンションが立てられたのは2002年。当初は70年間の土地使用権が認められていた。ところが、地元政府がここを「リゾートビジネスエリア」にすると言い出した。これも全て「公共の利益」のためだという。

記事は、中国のように個人の人権が重視されない社会では、「公共の利益」は絶対的なものだと指摘。これを言えば、「何でもあり」の世界なのだ。その「公共の利益」の定義を決めるのも、もちろん政府。この件も、明らかにより儲けの多い商業用地に変えたいだけの話に見えるが、政府の主張を誰が曲げられるのか。住民らの裁判の結果も目に見えている。

似たようなことは中国全土で起きている。「中国の建物の寿命はわずか30年」と中国政府が発表していたが、これは建物の質に問題があるのではなく、築後わずか数年の建物が簡単に取り壊されるケースが頻発しているせいだろう。記事は、政府が土地使用権の契約を守ることこそが「公共の利益」だとし、庶民の権利を守るための法制度を整備すべきだと訴えた。(翻訳・編集/NN)

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