多すぎ?大学院の募集定員、10年で3.6倍の140万人=量より質を、の声―中国

Record China    2010年8月24日(火) 13時43分

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20日、増え続ける中国の大学院生と反比例して厳しくなる就職。様々な問題を抱える大学院生の実態が浮かび上がった。写真は北京で開催された大学院生対象の就職フェア。

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2010年8月20日、長春晩報によると、中国の大学院生がもてはやされたのはすでに過去の話、今や「就職」「学業」「経済」などで苦境に直面し、「心の問題」もかかえている大学院生像が浮かび上がった。

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記事は、吉林省の政策決定咨詢委員で、科学技術情報研究所の所長、吉林大学の教授を務める李雲彪(リー・ユンビャオ)氏の研究を紹介。それによると、中国国内の大学院の募集定員は2000年の39万7000人から2010年には約3.6倍の140万人へと急増した。しかし大学院卒業生の主要就職先であった大学、科学研究所、大中企業の院卒へのニーズは逆に年々減少している。一方で、学生側は「大学院卒にふさわしい」好条件の就職を希望するため、就職率は年々下降しているという。

学業に関しても、大学院生は卒業のために一定量の論文を特定の刊行物に発表せねばならず、本来専門分野の研究や知識の習得に励むべきはずが論文の作成に最大の精力を注ぐという、本末転倒の結果になっている。また、一部の教授は大学院生を「安価な労働力」とみなし、自分の研究のために安易に使用するケースもある。また、高額な学費や生活費のためにアルバイトをするなど、経済的にも困難に直面する学生たちも少なくない。

同教授が「95%以上の学生が卒業後の進路に不安を感じており、食欲不振、睡眠不足などに悩んでいる」と語るように、ほとんどの学生が大きなストレスを抱えている現実もある。「大学院生は学業上の優秀者ではあるが、当然ながら人格的には完全ではない。挫折や困難に直面した場合に、適切なアドバイスや協力がなければ、ややもすると極端に走る可能性もある」と警告する。こうした状況に対して李教授は、「政府は大学院政策について『量』から『質』への転換をはかるべき」と警笛を鳴らす。また、「心理面のケア、生活の保障など現実的な問題を重視し、援助する必要がある」と指摘している。(翻訳・編集/HA)

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