<中国気になる話>注目のネット動画「高齢女性に跳び蹴りを浴びせる男」、その背景とは?!―広東省仏山市

Record China    2010年8月5日(木) 17時41分

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8月、ブログ「Kinbricks now」は、中国インターネットユーザーの注目を集めた動画「高齢女性に跳び蹴りを浴びせる男」について取り上げた。写真は今年4月、小中学校を警備するガードマン。警棒とトウガラシスプレーを装備している。

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2010年8月、レコードチャイナのライターによるブログ「Kinbricks now」は、中国インターネットユーザーの注目を集めた動画「高齢女性に跳び蹴りを浴びせる男」について取り上げた。

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2010年8月4日、南方農村報は、注目のネット動画「高齢女性に跳び蹴りを浴びせる男」についての調査報道を掲載した。事件はたんなる暴行ではなく、その背景には官僚の汚職と地上げに絡む事情が潜んでいた。

動画が最初に掲載されたのは2010年5月18日、広東省仏山市南海区のローカルネット掲示板。映し出されているのは畑に向かって轟音を立てて進むトラクターとそれを守るように立つ10人以上の男たちだ。離れたところには鋤やスコップを持った村の女性たちが見守っている。すると、突然、帽子をかぶった高齢の女性が持っていたひしゃくで男たちに水をかけはじめた。3回も水をかけたころ、走り寄ってきた男が女性に跳び蹴り。女性は悲鳴をあげながら畑に倒れ込んだ。

南方農村報は取材を開始、動画を撮影した梁さんを探し当てた。梁さんによると、動画は5月17日に撮影されたもの。話を聞くと、問題は4200ヘクタール余りの農地をめぐっての土地争いにあったという。

この農地は深涌村が利用権を保持していた。1998年11月、同村は地方政府と「土地収用協議」に調印。補償金と引き替えに農地を手放すことになった。ところが補償金が農民の手にわたることはなかったという。「土地収用」にもかかわった当時の村政府官僚は、金はどこに消えたのか、まったく分からないとコメントしている。

2005年、不動産開発企業が農地の開発に着手しようとしたところ、現地農民の妨害を受けた。村民たちは広東省国土庁に、土地収用は合法的な手続きが踏まれておらず、当時の村官僚が勝手に売ったものだと訴えた。住民たちの訴えが認められ、地元自治体は「事態が解決するまでは土地の使用は現状を維持する」と定めた。

事態が変わったのは今年4月、地元自治体の官僚・鄭が深涌村村民を集め、農地は不動産企業に売却されたと宣言。5月初めには整地が始まり、「跳び蹴り事件」へとつながる。その後、22日には農地を守る村民と迷彩服を着た正体不明の男たち数十人との衝突も起きた。村民5人がトウガラシスプレーの噴射を受け、うち1人が昏倒した。これに怒った村民たちは同日夜、付近の主要道路を閉鎖。交通が麻痺する事件も起きている。

村民たちの抵抗むなしく、不動産開発企業の整地作業は着々と進んでいる。現在、農地の周囲には高さ3メートルもの鉄の壁が張り巡らされ、ガードマン数人が日夜巡回している。南海区共産党委員会宣伝部のある官僚は取材に答え、区国土局の調査の結果、問題の農地は「合法的な土地収用手続きが取られていたことが確認された」と話している。(筆者:chinanews)

■中国在住経験を持つ翻訳者Chinanews氏は、ニュースサイト「Kinbricks now」「21世紀中国ニュース」を運営。ネットの流行から社会事情、事件、スポーツ、芸能など中国関連のトピックを幅広く紹介している。

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