実験動物の福祉、欧米に比べ相当な遅れ=50年代には実験後、食卓にも―中国誌

Record China    2010年7月3日(土) 15時8分

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1日、中国における実験動物の福祉の実態について、「欧米と比べて相当遅れている」と中国誌が報じた。写真は03年、湖北省の武漢大学で行われたSARSワクチンの動物実験。

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2010年7月1日、南方報業グループの週刊誌・南都週刊は、中国における実験動物の福祉の実態について、「欧米と比べて相当遅れている」と報じた。

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記事によれば、中国では1950年代から実験動物の飼育が始まったが、当時は粗末な設備で、ウサギや犬はレンガを積み上げて作った小さな囲いの中、マウスは小さな壺の中で普通に飼われていた。食糧難の時代、羊や犬などは実験後、調理されて食卓に上がることが一般的だった。

改革開放が始まってからは実験動物の扱いも多少は改善された。1988年には「実験動物管理条例」が施行。消毒済みの新鮮なエサを与えることなどが定められ、実験動物への虐待が禁じられた。1997年には動物実験の3R(代替、削減、改善)が初めて公式文書に出現。2006年には動物実験を行う際の具体的な注意―例えば「実験動物に触れる時は優しく」や「手術や解剖などの際は麻酔が効いたことを必ず確認すること」などを盛り込んだ「指導性意見」が中国科学技術部から公布された。

欧米では80年代初めから動物保護の重要性が叫ばれ始め、90年代半ばには動物の犠牲を伴わない代替法の研究も始まった。EU(欧州連合)では動物実験が行われた化粧品や原料の販売が原則禁止されている。一方の中国は21世紀に入ると、各大学に実験動物倫理委員会が設置され始めたが、違反行為をしてもせいぜい注意を受ける程度という甘さ。代替法の研究もまだ開始から10年ほどしか経っていない。(翻訳・編集/NN)



   

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