押収薬物の処理をめぐる苦悩=医薬品への転用を摸索―中国誌

Record China    2010年6月26日(土) 17時10分

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26日は「国際薬物乱用・不正取引防止デー」。中国各地で押収された薬物の焼却処分が行われる。しかし汚染を生む可能性もあり、行政は対処に頭を悩ませている。写真は今年6月、安徽省で焼却処分された違法栽培のケシの木9000本。

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2010年6月26日は、国連の定める「国際薬物乱用・不正取引防止デー」。中国各地でイベントが挙行され、押収された薬物の焼却処分が行われる。しかし単なるなる焼却では汚染を生む可能性もあり、行政は対処に頭を悩ませている。24日、中国新聞週刊が伝えた。

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広東省広州市の黄埔税関は先日、昨年摘発したヘロイン密輸事件の押収品を公開した。その量はなんと1033kg。薬物密輸史上最大だという。25日、ヘロインは焼却処分される。広州市だけではなく、同様のイベントは各地で開催される。薬物の焼却処分は政治イベント化しており、政府官僚の講演の後、市民の目の前で燃やされる。しかし一部薬品は汚染の問題もあり、単純な焼却はできない。

薬物の処理方法をめぐっては長年にわたり議論されてきた。汚染の問題に加え、一部専門家は医療用に転用する可能性を摸索するべきだと提言している。中国公安部薬物禁止局の専門家・王剛(ワン・ガン)氏は、「中国では押収された薬物は基本的に焼却される。薬物禁止に賭ける決意を表明するものだが、環境汚染につながる可能性もある。また、希少な薬品である薬物の焼却は浪費だとの批判もある」と説明した。

モルヒネなどの薬物は医療分野で鎮痛剤として使われている。しかし中国の使用量は日本のわずか2分の1、米国の5分の1という低水準にとどまっている。横流しされれば、ドラッグとして使用されるだけに国家が慎重な姿勢を貫いているのが要因だ。

すでに中国公安部も態度を変えつつあり、各地方に無駄な焼却処分をやめるよう呼びかけている。現在、イベントで燃やされている薬物の3分の2は、模造品に過ぎないという。実際の薬物は厳格な管理の上、保存する方向に変わっている。慎重な意見も多いが、押収薬物の再処理工場を造り、医薬品として再利用する道が摸索されている。(翻訳・編集/KT)

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