土地の立ち退き補償金で大金持ちに!農民らの浪費・無知による貧困逆戻りを懸念―中国

Record China    2010年6月10日(木) 17時24分

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7日、中国誌は、北京市郊外などに住む一部の農民が立ち退き補償によって一夜にして大金持ちになる現象を紹介。政府が適切な指導を怠ると農民が資金を使い果たして元の貧困に戻り、社会の安定性を脅かす存在になる可能性さえあると指摘した。写真は北京市の「城中村」。

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2010年6月7日、中国の週刊誌「瞭望新聞週刊」によると、北京市郊外などに住む一部の農民が、土地立ち退きの補償金によって一夜にして大金持ちになる現象が起きている。しかし、政府が適切な指導を怠れば、彼らは補償金を使い果たして元の貧困に戻り、社会の安定性を脅かす存在になる可能性さえあると指摘した。

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記事によると、北京市の郊外や市内にある「城中村(都市の中の村)」の住民の一部は、都市化に伴う立ち退きによって巨額の補償費を獲得し、一夜にして大金持ちになっている。同市大興区西紅門鎮の農民を例にとると、約200平方米の住宅地を所有していた場合、6〜7年前の立ち退き補償基準では20万〜30万元(約270万〜405万円)に過ぎなかったものが、今では住居2〜3戸の支給に加えて40〜50万元(約540万〜675万円)の補償費が得られる。また、他の地域では、保有している土地の面積によって、移転先マンション以外に数百万元(数千万円)の補償費を得るケースもあるという。

専門家は、補償費が高額化している背景について、農民側の原因として「権利意識の強化」「政府・不動産開発企業との交渉力の向上」など、政府や不動産開発企業側の原因として「強制撤去の考えを捨て、市場ルールと公民の権利尊重を学んだ」「補償費が立ち退き反対運動などのリスク回避として割に合い、かつ正義であるという共通認識を持った」などを挙げている。

一方で専門家が心配するのは、一夜にして金持ちになった農民の将来についてだという。農民の一部には、巨額な現金を手にしたことにより親族間の争議が発生したり、価値観のバランスを失う者もいる。また、高級車・投資・贅沢品の購入など、財産の管理・運用知識のないままやみくもに消費・投資するだけでなく、中には賭博などに手を染め、元の貧困状態に戻ってしまう者もいる。しかし、すでに土地を失って生活の基盤がないため、状況は以前よりもさらに苦しい。こうした農民は社会の安定性を脅かす存在になる可能性さえあると指摘されている。

これに関し、専門家は「農民への適切な消費観念の啓蒙」「資産管理・運用の指導」「(一度に消費させないため)立ち退き補償費の分割支払い」「農民向けの養老保険、医療保険など生活保障制度の確立」「都市生活への適応の指導」などの必要性を説いている。(翻訳・編集/HA)

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