中国13億人を感動させたラブストーリー 病を超えた愛の奇跡（2）初デート

2006年2月10日は、彼らにとって忘れられない日となった。インターネットのお見合いサイトで知り合った、唐雪竜（タンシュエロン）さんと常超（チャンチャオ）さんが、この日初めて実際に会うことになった。メールによりお互いのさまざまなことは既に知っていたにもかかわらず、会ったこともなかった唐さんに、常さんは前から運命を感じていたという。

北京市の三元橋（サンユエンチャオ）にあるレストラン前のバス停で、2人は待ち合わせの約束をした。常さんはその日のことを鮮明に覚えている。待っていた常さんに向かって、あるやせた男性が駆け寄ってきた。彼女はすぐに、それが唐さんだと気が付いた。なぜなら右目の視力を失っているという、彼の話を聞いていたからだ。それは一目で分かるものだった。

初対面の2人が打ち解けるのに、時間はかからなかった。唐さんは彼女に、特別なプレゼントを用意していた。左手に彼が持っていたのは、彼女が大好きなお菓子が入った包み。料理が得意な唐さんは、以前メールで知った彼女の大好物をしっかり覚えていて、この日のために手作りしたのだ。常さんは、この心のこもったプレゼントに大感激だった。

レストランで食事をするうちに、2人の親密さはどんどん増していった。常さんは、明るくユーモアあふれる会話が飛び出す、唐さんとの楽しい時間に幸せを感じた。そして唐さんも常さんの笑顔に惹きつけられ、2人の距離はすぐに近づいた。