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<映画の中のチャイナ>「事実は映画より奇なり」〜成田空港で進行する中国版リアル「ターミナル」の結末は?

Record China    2009年12月21日(月) 8時4分

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09年12月、トム・ハンクス主演の映画「ターミナル」では、中国人らしき偽造旅券を持った集団が空港内を逃げ回る状況がコミカルに描かれていた。写真は中国人男性が入国審査前の制限エリアで40日以上寝泊まりを続ける成田空港の第1ターミナル。

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2009年12月、トム・ハンクスが主演したハリウッド映画「ターミナル」(2004年)では、中国人らしき偽造旅券を持った集団がまさに「ドドドドド〜〜」と音を立てるようにして空港内を逃げ回る状況がコミカルに描かれていた。

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かつて大きな問題となっていた中国大陸からの難民船、そしてその密入国を助ける蛇頭(英語はそのまま「スネークヘッド」)等の存在は、ジャン・クロードヴァンダム主演の映画「レクイエム」(2004年)では荒っぽい中国マフィアとの戦いという血なまぐさい物語として描かれている。アクションの大スターが年齢を重ねて演技にも力を入れた作品である点と残虐な抗争の描写という二つの点で、「レクイエム」はジャッキー・チェンが演じた「新宿インシデント」に重なる作品だ。

さて、現実の日本の空港でもトム・ハンクスが演じた架空の国・クラコージアから来たビクター・ナボルスキー氏を彷彿とさせる空港内での寝泊まりを上海出身の中国人男性・馮正虎さんが行っているという。

上海出身の馮氏は11月初め、入国を拒否され成田空港に送還された後、ビザ放棄を宣言して日本への入国を拒否、空港の入国審査カウンター前にある制限エリアでトイレの水を飲むなどして寝泊まりを続けている。中国で民主化・人権活動に取り組んだ馮氏は今年6月の天安門事件20周年記念日を前に上海市当局から日本への出国を促されて訪日したが、その後帰国を試みると、8回にわたり入国を拒否された。馮氏は中国への帰国を求めているがかなえられず、日本に「島流し」にあった形だ。


馮氏の事態は映画と違って現在進行中の深刻な現実だ。暖をとる場も食料もない入管審査カウンターの手前で、すでに40日以上を過ごし心身ともに消耗しているだろう。昨年だったか、南米かどこかの空港内で目的もなく長期間生活した日本人が紹介されていたが、これとは切実さが異なる。

ただ、映画でもロマンスあり空港スタッフとの交流ありと人間ドラマ盛りだくさんだったが、成田の「ターミナル」の場合も、馮さんの健康を気遣った人たちからの差し入れや声援が後を絶たない。大学時代の同窓生だった当局幹部との再会もあるなど、40日間にしてすでにドラマのような物語が生まれている。エアラインのCA(客室乗務員)らが支援しているのも映画「ターミナル」と共通し面白い。こんな様子がインターネットのサイトで公表され、最新のデジタル道具であるTwitterを使って空港からほぼリアルタイムで情報発信されているから驚きだ。

映画「ターミナル」では、母国クラコージアで軍事クーデターが起きてパスポートは無効、入国ビザも取り消されビクターは身動きが取れない状態だった。経済成長をとげ安定したかにみえる中国では今一体何が起きているのだろう。馮さんは中国パスポートを持ちながら当局から入国を拒否され、日本のエアラインによって強制的に送還されてきたという。

まさに、「事実は映画より奇なり」である。<映画の中のチャイナ8> (文章:kinta)

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