Record China 2006年11月1日(水) 3時25分
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かつては川が流れていたのみだった中国-北朝鮮の国境に、長さ3km程の鉄条網が設置されている。北朝鮮サイドには住民や兵士の姿が見えるが、かつてのようにこちらの呼びかけに答えてはくれない。
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2006年11月1日、北朝鮮との国境に位置する遼寧(りょうねい)省丹東(たんとう)市から、港に向かって新しく作られた高速道路が走っている。その高速道路の左側に沿って、新しい鉄条網が延々と張り巡らされているのが見られる。鉄条網の向こうには鴨緑江(おうりょっこう)が流れ、さらに向こうは北朝鮮の領土だ。一体この不可解な鉄条網は何なのか。レコードチャイナのカメラマンはタクシーを拾い、高速道路に沿って見学することにした。
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市中心部から車で20分程走った郊外のこの場所では、高さ約1.8mのコンクリートの支柱が河沿いの約3kmにわたって立てられ、鉄条網が張られていることが判明した。この区間は川幅が数十mから数mと、非常に狭まっている場所だ。タクシーの運転手によると、鉄条網は北朝鮮による核実験宣言の直後、中国側が突貫工事で設置したものだという。その後中国の外交部は、この有刺鉄線が北朝鮮の核実験と何の関係もないと明言し、1990年代から建設が始められていると主張した。しかしコンクリートの支柱付近の新しい土は、これが最近工事されたばかりであることを物語っており、核実験と全く関係がないとは考えにくい。
鴨緑江対岸の北朝鮮側には、一面に農地が広がっているのが見える。時々人の姿や民家も見えることもある。タクシーの運転手はハンドルを切りながら、つぶやくようにこう話した。「昔中国人旅行者が川幅の狭いこの場所を訪れると、北朝鮮の兵士たちは手が届く程近くまでやって来て、対岸から金やたばこを要求したものだった。中国人と北朝鮮人の関係は良かったが、これまでと同じく地元住民が向こう側の人に声をかけても、今は返事が返ってこない。北朝鮮の兵士たちが、中国人旅行者に近づかなくなったんだ。」
北朝鮮と中国の間に、一体何が起きているのだろう。プライドの高い北朝鮮人は、もはや中国側からの呼びかけに答えてはくれない。この鉄条網の出現により、最近まで存在した和やかな雰囲気は消え、鉄条網と共に心の壁にも隔てられた人々の悲しみが、この国境に漂っているように感じられる。
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