<レコチャ広場>日本の長期政権崩壊の可能性に薄気味悪さ感じている?中国の一党独裁政権

Record China    2009年8月26日(水) 12時11分

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26日、レコードチャイナ・ライターによる個人ブログ「全人類の中国分析2」は、日本の政権交代の動きに中国国民が心理的に共鳴することを、中国当局が警戒しはじめていると論じた。写真は福田赳夫元首相とトウ小平元国家主席のロウ人形。

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2009年8月26日、レコードチャイナ・ライターによる個人ブログ「全人類の中国分析2」は、いよいよ現実味を帯びてきた日本の政権交代の動きに中国国民が心理的に共鳴することを、中国当局が警戒しはじめていると論じた。

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以下は同ブログより。

いよいよ総選挙まであと数日。民主党圧倒的優位が各メディアで伝えられているが、最後の最後まで結果がわからないのが選挙のおもしろさでもある。

ところで、ほぼ間違いなく民主党政権が誕生するとみられるようになってからの、日本の政権交替についての中国メディアの報道は、まったくおもしろみに欠けている。

日本メディアからの引用記事が次々と紹介されている。新華網、環球時報、中国新聞網の3サイトからざっと拾ってみるだけでも、「麻生首相が不在者投票を済ます」「民主党の新首相は9月にオバマ大統領と会談」「民主党は3週以内に組閣を目指す」「麻生首相が金のない若者は結婚するなと発言」「民主党300議席を越す勢い」「民主が勝てば米国の核兵器持込み禁止」「小沢時代の到来か」…など多数の記事が配信されている。

なぜおもしろくないのか。それは傍観者的記事ばかりだからだ。

数週間前までは、民主党政権による日中関係の変化についての分析記事も少なくなかったが、最近そんな記事はすっかり陰を潜めている。また、ここ数日の報道では「政権交替でも日本経済は悲観的」との論調が目立ち、日本の政権交替を意義あるものとしてとらえるのではなく、「政局の混乱」として描き出そうとする傾向が強い。

中国政府は明らかに、隣国で半世紀以上続いた長期安定政権の崩壊と新政権の誕生について敏感になっている。中国共産党による一党独裁体制は今年60年の節目を迎える。もちろん日本の自民党政権と中国の共産党政権は性質が異なるが、度重なる汚職・不祥事でも揺るがなかった日本人の自民党政権への依存心がついに55年目で崩れようとしていることは、中国政府にとってただごとではないはずだ。

中国人のなかには、日本人以上の不満がくすぶっている。ナショナリズムだけに訴えるのもそろそろ限界だ。少数民族問題に世界の関心が向かうようになった以上、偏向したナショナリズムは少数民族問題をさらに複雑にしかねない。中国にとっては難しいところだろうと察するに余りある現状だ。

今、中国政府に、求心力を保つための武器があるとすれば、それは「経済」しかない。いち早く4兆元の景気刺激策を打ち出すことによって金融危機による影響を最小限に食い止めることに成功したことからもわかるように、中国は経済政策に文字通り命をかけている。

経済こそが米国とわたりあうための唯一のカードであり、アジアにおけるリーダーの資格であることを中国政府は知っている。裏をかえせば、経済という武器があって初めて中国人は「超大国の形成」という夢を見ることができる。その夢を見るためなら、現政権に多少の不満があっても運命をともにすることを選ぶ。

この状況は日本の高度経済成長期と似すぎてはいないだろうか。そう、中国はすでにそれに気づいている。日本の今日が中国の近い将来の現実となることを避けるために、中国はあらゆる手段を講ずるに違いない。

隣国・日本の民衆が自分の意思で政権を交代させようとしていることを、他人事として映し出す目論見は、果たして成功するかどうか。

そういう意味で、「のりピー逮捕」は当初、日本の混乱・失墜の象徴として中国にとっては都合のいい事件だったかもしれないが、いまや中国は日本人への共鳴を呼び起こさせる素材には慎重にならざるを得ない、と考えるのは考えすぎか。

しかし、総選挙だけでは中国は変わらない。私は「総選挙の後」の動向を注視していきたいと思っている。日本人が日本という国と自分自身の人生への責任に目覚めることができるかどうか、それが中国の将来をもうらなうことにつながるのではないだろうか。

■「全人類の中国分析2」は中国ニュースを材料に、情報を正しく解読することの大切さを伝える、あるレコードチャイナ・ライターのブログ。Livedoor Blogに掲載。

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