2009年8月13日、かつて欧米諸国の租界地区だった面影を色濃く残す上海市の「バンド(外灘)」エリア。黄浦江と呼ばれる川の西岸に、かつての列強が築いた銀行など勇壮な西洋建築が立ち並び、レトロ風情がたっぷり味わえる。その建築群を背にして黄浦江の川岸に延びるプロムナードは「恋人たちの壁」と呼ばれ、デートスポットとして長年愛されてきた。その「恋人たちの壁」の取り壊しが、このほど始まった。チャイナフォトプレスの報道。

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重厚さを感じさせるバンドの西洋建築群は19世紀後半から20世紀前半にかけて建てられたもの。現在ではクラシックな趣のホテルとして使用されたり、世界の名だたるブランド店やおしゃれなレストランやバー、クラブが入居する観光スポットとして生まれ変わっている。そんな前時代の風景が、黄浦江をはさんだ東岸では一変。近代的な高層ビルが立ち並ぶ金融街として栄えており、「恋人たちの壁」を歩けば、そんな新旧揃った上海の魅力を存分に楽しむことができる。このプロムナードにカップルが鈴なりになり、愛を囁きあう光景は一種、“上海名物”とも呼べるものであった。

そんな恋人たちの聖地が取り壊される。来年開催の上海万国博覧会を前に、全面的リニューアルを図るためである。新しいデザインはバンドの景観になじむようなレトロなものになるという。きっと、さらにロマンティックな風を恋人たちの許に運んできてくれるに違いない。(翻訳・編集/愛玉)