Record China 2009年8月14日(金) 14時56分
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8月、ブログ「21世紀中国ニュース」は、中国でのiPhone販売契約を取り上げた。500万台を買い上げるという中国キャリアにとっては危険とも思える条件で合意される可能性が高いという。写真は今年発売されたiPhone3GSと関連機器。
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2009年8月、レコードチャイナのライターによる個人ブログ「21世紀中国ニュース」は、中国でのiPhone販売契約を取り上げた。他国で通例となっている通信料収入の分配契約ではなく、単に500万台を買い上げるという中国キャリアにとっては危険とも思える条件で合意される可能性が高いという。
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同ブログの内容は以下の通り。
2009年8月12日、第一財経日報はアップル社と中国聯合通信のiPhone販売契約がほぼ固まったと報じました。何と500万台を一気にお買い上げという無謀にも見える契約となるそうです。
中国は安価なコピーブランド携帯が出回る一方で、ハイエンドの海外携帯の人気も非常に高いものがあります。日本の携帯も人気で、盗難品も含め大量に中国に輸出されているとの噂も。わたしの知り合いも「DoCoMo」のロゴが入った携帯を使っていました。メニュー画面なども日本語だったので、iモードも使えないし中国語メールも打てないしで不便じゃないのと聞いたところ、「デザインが格好いいから。どうせ通話しかしないしね」という答えでした。
さてさてそうした海外携帯の中でも人気ナンバーワンはやはりiPhone。正式販売される前から100万台以上が輸入されたとも伝えられており、家電販売店には普通に並んでいたりすることも。とはいえ保証などを考えれば国内で買えるに越したことはありません。というわけで、ずいぶん前からそろそろ販売されるとの噂が流れていましたが、7月28日付レコードチャイナの記事「中国聯通、iPhoneの3年間独占販売権を獲得へ―中国メディア」にもあるようにようやく今度こそは販売されそうな見通しです。
これまで中国でiPhoneが販売されなかった理由はアップル社のビジネスモデルにあると伝えられています。というのはアップル社はこれまで各国の携帯キャリアを相手に単に端末を販売するだけではなく、通信料収入からも一定比率を受け取る契約を結んできました。
当初、アップル社が交渉相手としたのは最大手の中国移動、しかし通信料収入の分配について合意できず物別れに終わりました。今回、市場2位の中国聯合通信との契約にこぎつけたのですが、驚くべきことにアップル社は通信料収入の分配をあきらめた、と第一財経日報は報じています。
同紙が伝えた契約内容は端末500万台の一括買い上げ。1台当たりの価格は2000元(約2万8000円)で、計100億元(約1400億円)もの取引になるということ。一見するとアップル社が譲歩したようにも見えますが、端末製造コストは1台1000元(約1万4000円)程度。物流コストなどを差し引いても1台500元(約7000円)の利益は見込めるため、アップル社は25億元(約350億円)の売り上げが保証される“おいしい”取引とのことです。
確かに500万台もの在庫を抱えることを考えると、中国聯合通信にとってはリスクの高い冒険のようにも思えます。ただし、中国聯合通信関係者は新たに500万人の3G携帯ユーザーが増えること、1人あたり月額400元(約5600円)というセット料金は通信料収入を現行の3〜5倍に引き上げ利益率も40%増やすこと、業界トップの中国移動を追撃する材料になることとメリットをあげています。
中国で3G携帯が本格的にスタートしましたが、料金の高さもあり普及の速度はまだまだといったところ。確かに月400元(約5600円)もの料金を払える消費者がそうそういるとは思えません。また中国版iPhoneにはWi-Fiが搭載されないとの見方が強まっていることもあり(本ブログ7月13日付エントリー「出る出る詐欺のiPhone、ついに中国上陸か?!でも無線LANは使えません」参照)、この契約が事実ならば中国聯合通信にとってはかなり危うい賭けのようにも思えます。
単にiPhoneが普及するか否かという問題だけではなく、中国3G携帯時代の行方を占うともいえるこの戦い、果たしてどのような結末になるのか、今後も注目です。(筆者:chinanews)
■「21世紀中国ニュース」は中国在住経験を持つ翻訳者のブログ。『21世紀は中国の世紀』と言われその成長がもてはやされる中、「このまますんなりと発展が続くとは思えない」と考え、スポーツにとどまらず中国関連の「気になるニュースをピックアップし」紹介している。FC2ブログに掲載。
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