2009年7月20日、「易網探索」によると、ウォールストリート・ジャーナル（中国語版）は6月8日、「逃亡する新婦」と題した記事を掲載、中国の人口における男女比がバランスを欠いた結果、男性の結婚難に乗じた結婚詐欺が増加していると報じた。

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27歳のジョウ・ピンさんはツァイ・ニウツオさんを妻に迎えたが、結婚10日後、ツァイさんが結納金3万8000元（約53万円）といっしょに消えたという。通報後、ジョウさんは、今年に入ってからの2か月間で、彼を含め11人が妻の失踪を届け出ていたことを知った。ある村の幹部は、この裏に犯罪集団が絡んでいるのではないかとみている。

「British Journal of Medicine」の調査記事によると、中国では男性が女性より3200万人多いという。これはカナダの総人口に匹敵する数字だ。またコロンビア大学の経済学者・ウェイ・シャン氏によると、男性の比率が高い地域では貯蓄率が高く、消費水準が低いことがわかっているという。嫁を迎えるために貯蓄をする家庭の姿が浮かび上がってくる。

高額な結納金を新婦のために準備する習慣が昔からあったわけではなかった。被害にあったジョウさんの母親は、「私が嫁に来たときは、夫は服を何着か買ってくれただけだった」と話す。80年代はまだ結納金の額は小さかったが、90年代になって1500〜3000元になり、02〜03年を境に6000〜1万元に「高騰」した。数年分の農家の収入に相当する額だ。

79年に一人っ子政策が始まったが、今、ちょうど一人っ子の1代目たちが結婚適齢期にあたる。多くの農村では、野菜を植えながら、自分たちは米と小麦粉料理だけ食べ、肉もほとんど食べない。そうしてためたお金は全部、息子の結婚のために使う。

男尊女卑の文化が人口における男女比のバランスを大きく崩してしまい、男性の結婚難に乗じて女性が農村で結婚詐欺を働くようになった。逃げた女性がジョウさん家族に要求した3万8000元は、周家の5年分の農業収入で、その半分は借金でまかなったという。（翻訳・編集/津野尾）