<レコチャ広場>日本と香港の映画・舞台現場の違いとは

Record China    2009年7月16日(木) 12時26分

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日本での活動経験もある香港人俳優が、日本と香港の映画・演劇現場の違いについて語った。写真は映画「私の叙情的な時代」より。

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僕は日本大学で演劇を学び、卒業後はプロの現場で俳優活動を続け、テレビや映画の仕事もさせていただきました。2年前に香港に戻り、舞台を中心に俳優活動を続けています。当然、日本と香港の撮影現場や稽古場の雰囲気も違うし、作品のために頑張っている皆さんの姿勢もそれぞれです。

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香港は日本に比べると、割と現場で人とコミュニケーションを取りやすく、スタッフと役者もフレンドリーだと思います。現場の緊張感は芝居をやっている間だけで、芝居が終わったら何でもありという感じがあります。

僕は最近、舞台「笑の大学」香港版と中英劇団の舞台の稽古を同時にやっていまして、この2年間香港でやっていた舞台の稽古もそうでしたが、演出家と俳優がコミュニケーションをとる場面をよく目にします。演出家は俳優の考えや意見を求め、そうすることによって演出プランや俳優の演技を変えてくれることもあります。俳優が自ら意見を伝えることも珍しくありません。

一方、日本は稽古場でも撮影現場でもいつも緊張感が溢れていますし、現場の全ての秩序がしっかり守られていますので、皆さんはいつでも集中力が高まっています。このような環境の中で、良い意味での緊張感も俳優自身の集中力も保ちやすいと思っています。

日本の現場では役者の存在が一番大事にされており、香港ではスタッフも役者も平等で、どちらも一つの作品を作るにはなくてはならない存在という風に私は感じています。

国によって、仕事のやり方は違ってきます。私はどちらのやり方も良いと思っています。それは文化が違うからです。俳優はどこにいても、与えられた環境の中で良い仕事が出来るのがプロだと思うのです。

●アンソン・ラム

1974年生まれ、香港出身。香港理工大学インダストリアルデザイン学科を卒業後、1999年に私費留学生として来日。日本大学芸術学部演劇学科演技コースで学び、2006年に首席で卒業。その後は東京演劇集団「風」に入団し、TPTを経て東京で演劇活動を続ける。現在は香港で舞台を中心に俳優活動を続け、「オリバー」のビル役、「オズの魔法使い」のブリキ役、「王様と私」の王様役でミュージカルに出演する一方、香港を代表する劇団の香港話劇団、中英劇団、進劇場、劇場空間などの舞台にも出演する。香港日本文化協会やRTHK(香港国営放送局)などの団体における日本文化に関わる活動にも力を注ぐ。

●アンソン・ラム主演映画「私の叙情的な時代」

7月18日(土)10:30〜

7月23日(木)18:30〜

東京国立近代美術館フィルムセンター大ホール

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