2008年11月19日、浙江省温州市の靴メーカー・温州信甌制鞋有限公司が生産停止を宣言した。翌20日、債権者100人以上が工場に押しかけ、設備や原材料などを略奪するという事件が発生した。24日、浙江在線が伝えた。

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温州市といえば世界的な靴生産地となっている。問題の温州信甌制鞋有限公司も独自ブランドを持ち、東欧やフランスに輸出するほどで、最盛期には7、800人の従業員を抱えていたという。しかし世界的な金融危機の影響で売り上げが減少していたほか、経営者の石建欧（シー・ジエンオウ）は四川省での不動産投資に失敗、1億元（約14億円）の損失を抱えてしまった。これを取り返そうとマカオでの事業に手を出したがこれも6000万元（約8億4000万）の損失で終わり、夜逃げしてしまったという。

生産停止が通達された翌日、工場には従業員、債権者が集まった。外には債権者が持ち出してきたと見られるトラックやショベルカーまで並んでいたという。この日、従業員には給与が支払われたが、債権者への返済はなかった。これに怒った債権者は工場内へと突入、設備や原料など金になりそうな物を略奪したという。

温州信甌制鞋有限公司の生産停止は温州市靴産業の縮図とも言える。すでに同市中小企業の8％が倒産、生産停止したと伝えられるほか、20％の企業もなかば生産停止状態にいあるという。特に衣料品メーカー、ライター製造などの輸出向け労働集約産業の落ち込みが激しく、経営者の夜逃げも相次いでいるという。（翻訳・編集/KT）