Record China 2017年12月27日(水) 11時10分
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27日、フィリピン・マニラに慰安婦像が設置された問題で、同国外務省が市長に経緯を説明するよう求めたことを受け、比華人のリーダーはこのほど、比政府の立場に疑問を示した上で、「日本政府の不合理な要求に屈しない」と主張した。写真はマニラのチャイナタウン。
2017年12月27日、中国メディアの参考消息網によると、フィリピンの首都マニラに初の「フィリピン人慰安婦像」が設置された問題で、在フィリピン日本大使館から懸念を伝えられたフィリピン外務省がエストラーダ市長に経緯を説明するよう求めたことを受け、フィリピン華人のリーダーであるテレシータ・アング・シー(洪玉華)氏は22日付の書簡で、フィリピン政府の立場に疑問を示した上で、「日本政府の不合理な要求に屈しない」と主張した。
フィリピンメディアなどによると、像が建てられたのはマニラ湾に面したロハス大通り沿いの遊歩道の一角。像は学者らで構成し、歴史的建造物への碑文設置などを行う政府機関の「フィリピン国家歴史委員会」(NHCP)が設置したもので、太平洋戦争中に旧日本軍の性暴力の被害を受けた女性たちの悲劇を語り継ぐのが目的で、中華系の「トゥライ財団」や比人元慰安婦と支援者の団体「リラ・ピリピーナ」などの協力を得て造られた。
台座を含めた高さは約3メートルで、目隠しをされた民族衣装の女性が湾側から市内側に向いて立つデザインとなっている。台座には「メモラーレ(記憶)」とのタイトルの下に「1942〜45年の日本統治下で虐待の被害にあったすべての比人女性の記憶である。彼女たちが自身の経験を語りだすまでに、何年もの月日を要した」と記されている。太平洋戦争開戦日の今月8日に除幕式が行われ、その後マニラ市に引き渡された。
これに対し、菅義偉官房長官は12日の記者会見で「諸外国における慰安婦像の設置はわが国の立場と相いれない極めて残念なことだ」と指摘。フィリピン政府に設置の経緯などを確認するとともに、日本政府の立場を申し入れたことを明らかにした。菅官房長官は「日本とフィリピンは長年にわたって真の意味の戦略的パートナーであり、本件についてもフィリピン政府とよく相談して対応したい」とも付け加えた。
参考消息網が26日付のフィリピン英字紙インクワイアラー(電子版)の報道を引用して伝えたところによると、像の除幕式から数日後、フィリピン外務省がエストラーダ市長に経緯を説明するよう求めたほか、日本大使館の代表も質問のために市役所を訪れたことなどを受け、テレシータ・アング・シー氏は「友人や隣人と外交上、友好的な協力を行わなければならないことを、私は理解している。だがそれは、不合理な要求に従わなければならないということを意味するものではない」と主張。「日本の占領は事実だ。暴行、迫害、虐殺、強姦などの戦争犯罪も事実だ。これらを否定することはできない。マニラ市街戦の約10万人の犠牲者を追悼するためにメモラーレ・マニラ1945モニュメントがある」などと指摘した。同氏は別のインタビューで、「新聞の報道で外務省の動きと市政府の返答を読んだだけだが、政府職員の国の歴史ヘの対応にショックを受けた」とも述べたという。(翻訳・編集/柳川)
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