人民網日本語版 2017年12月1日(金) 5時50分
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今年の「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)は、米ウォール街のアナリストを驚嘆させるほどの規模となった。資料写真。
今年の「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)は、米ウォール街のアナリストを驚嘆させるほどの規模となった。人民日報海外版が伝えた。
モルガン・スタンレーは、今年の「ダブル11」には、中国のオンラインショップの取引額が約1570億元(約2兆6531億円)になると予測し、その他の機関の予想はもっと低かった。
しかし、実際には今月11日、ショッピングサイト・天猫の取引額だけでも1682億元(約2兆8424億円)に達した。中国EC取引研究センターの統計によると、中国全土のオンライン小売り販売額は前年同期比45.16%増の2539億7000万元(約4兆2918億円)に達した。
シンガポール華字紙・聯合早報によると、中国のネット通販はビジネスの世界や全世界の社会に大きな影響を与えている。
全世界が驚く中国の成長スピード
中国のネットショッピングの規模を最もよく示しているのが、毎年行われる「ダブル11」だ。開催から9年間、同イベントは新記録を更新し続けており、中国の成長スピードを反映している。
同イベントが初めて開催された2009年、天猫で参加したのは27種のブランドにとどまり、1日目の売上額は5000万元(約8億5000万円)にとどまった。3年後の12年、天猫の取引額は100億元(約1700億円)を突破し、最終的に計191億元(約3228億円)に達した。16年には、開始からわずか6分58秒で取引額が100億元を突破した。そして、今年は、わずか3分1秒で100億元を突破し、11日の取引額は1682億元と、8年前と比べて3000倍以上になった。
このような熱狂的な盛り上がりは、中国だけでなく、海外でも起きている。中国に住んで2年になるドイツ人の男性・クリスさんは最近、帰国した際、「『ダブル11』に、天猫とか京東で、何を買ったの?」と友人らに聞かれ、びっくりしたという。中国のネットショッピングがすでに世界中に波及しているとは想定外のことだったため、クリスさんはそう質問されてすぐに反応することができなかった。
統計によると、阿里巴巴(アリババ)では今年、業者14万社が「ダブル11」に参戦し、うち6万社は海外の業者で、昨年と比べると約5倍の数字となった。アリババの運営する海外向けB2Cサイト・アリエクスプレスでは、3時間50分で取引件数が1000万件を突破した。
これらの世界を驚かせる数字は、「ダブル11」のグローバル化が急速に進み、中国の消費スタイルが世界に影響を与えていることを示している。
海外機関の統計によると、10年前、中国のネット通販の取引額が、世界総額に占める割合は1%以下だったものの、現在では40%を超えるようになっており、英国、米国、日本、フランス、ドイツの5カ国の総和を超えている。16年、中国の個人消費関連のモバイル決済取引額は7900億ドル(約88兆929億円)と、米国の11倍に達した。米ボストン・コンサルティング・グループの報告によると、アマゾンは米国での浸透率を50%に到達させるのに14年を費やしたのに対して、淘宝は中国で、9年でその数字まで到達させた。
世界の資源を共有
ストリーミングでニュージーランドの牧場で牛乳を搾る様子を配信し、それを購入すると、中国国家質量監督検験検疫総局の指定による船積み前検査を経て、専用機で中国に運ばれ、通関手続き後に専用車で配送する。これは、今年の「ダブル11」に、アリエクスプレスがニュージーランドのある牛乳業者と展開したキャンペーンだ。中国人は家から出なくても、72時間以内にニュージーランド産の新鮮な牛乳を飲むことができる。世界の資源を「共有」する飛躍的な試みだ。
阿里巴巴グループの張勇・最高経営責任者(CEO)は、「現在、ネットショッピングは、単なるインターネット業界での出来事にとどまらず、社会現象になっており、世界の資源を共有できる場になっている。ネットショッピングは商業の力、テクノロジー、ビッグデータの牽引の下、生産、物流、マーケティング、カスタマーサービスなど、社会の各産業チェーンを一つに繋げている」との見方を示している。
中国のネットショッピングが海外で台頭しているのを背景に、世界各地がインフラ整備を進める原因にもなっている。現在、ロシア郵政が処理できる国際便の荷物の数は3年前の7倍に増えており、現地の銀行も短時間の間に大量の決済が行われても、「ハッカーの攻撃」とは見なさなくなっている。昨年、アリババ傘下の物流サービスプラットフォーム・菜鳥網絡とアリエクスプレスは、南米専用ラインを打ち出した。同ラインは従来の物流ルートと比べて、輸送時間を50%以上短縮した。
国際デジタルマーケティンググループのAlice Melnik最高執行責任者(COO)は最近、「端的に言えば、中国のネット通販は市場、プラットフォーム、決済サービス、インスタントメッセージ、広告掲載サービス、物流ネットワーク、金融サービス、モバイル端末サービスなどを一つにまとめ、人々の生活を一層便利にしている」との見方を示した。
中国の成功が世界の発展を牽引
中国のネットショッピングが大成功を収めており、海外の多くの企業がEC取引の価値やデジタルライフの意義を再認識するようになっている。
米国のスニーカー小売り企業・Stadium Goodsのジョーン CEOは、「アリババの馬雲(ジャック・マー)会長は、『中国を逃すと、未来を逃すことになる』と言っていた」とし、「中国のネット通販プラットフォームに進出して以降、当社の商品は人気を高めている。当社の中国向けの送料は、米国ロサンゼルス向けの送料より安い」と紹介した。
英紙ファイナンシャル・タイムズの最近の記事は、「中国では現在、消費革命が起きており、それは18世紀に欧州で起きた消費革命にも匹敵する。阿里巴巴や京東などの中国のネット通販業者がその革命の推進者」と伝えた。
今年1月4日、米最大のデパートメントストア・Macy’s(メイシーズ)が、68店舗の閉鎖予定店舗を発表したほか、米国での販売が落ち込んでいるのを埋め合わせるために、中国ビジネスに注力し、アリババと戦略パートナーとなることで合意したと発表した。メイシーズの中国エリアを統括するDustin Jones氏は、「当社は中国から離れられず、『中国のメイシーズ』にならなければならない」との見方を示した。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが伝えるように、全世界は中国のノウハウをしっかりと見ている。世界は現在、昔の陶器や青銅器をコレクトするのではなく、世界を牽引する最先端技術や理念をコレクトしている。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
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