<点描・北京五輪>朝倉浩之の眼・五輪安全のため…地下鉄のチェックより厳しく

Record China    2008年8月1日(金) 18時24分

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セキュリティチェックがまた一段と厳しくなった…。30日朝、いつものように地下鉄駅に入ると、安全検査を担当する係員が手招きして、手荷物検査の場所に誘導された。写真は6月下旬の検査の様子。

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セキュリティチェックがまた一段と厳しくなった…

30日朝、いつものように地下鉄駅に入ると、安全検査を担当する係員が手招きして、手荷物検査の場所に誘導された。これまで、大型バックや袋を持っている場合は、ほぼ100%検査を受けさせられるが、小型のバックやリュック程度ならば、ランダムに指名されて検査を受けるという仕組みだった。「運が悪かったか」と思いながら、検査場へ向かうと、そこには長蛇の列が…。実はこのほど、地下鉄の全ての駅で、乗客全員に対する持ち物検査が始まったのだ。五輪を前に、安全確保を徹底するのが狙い。小型のハンドバックでさえ、X線を通さなくてはならなくなる。

行列を並ぶ市民はいずれもイライラの表情。それもそのはず、時刻は8時過ぎ。朝の忙しいときにホームに入る前に立ち往生させられるわけだから。出勤時間まで決して余裕があるわけではない私も、あせる気持ちを抑えながら、行列に並んだ。

今月20日から、自家用車のナンバー規制が始まり、多くの人たちが地下鉄通勤に切り替えた。公共交通機関の利用は、それ自体、推奨されるべきことだし、深刻だった市内の渋滞が緩和したことは、喜ばしいニュースだ。だが、一方で、地下鉄は史上かつてないほどの込み具合を呈している。

駅によっては、ホームに乗客が入りきらず、危険を防ぐため、駅への入場制限を実施するところも出ている。地上からの入り口から入場規制を行うため、歩道や歩道橋などに行列がズラリと出来ているということも珍しくない。初めてこの行列を見たときは、人気レストランでもオープンしたか、と思ったものだ。同僚は、地下鉄に乗るまでに30分もかかる、と愚痴をこぼしていた。安全強化は市民にとっても必要なことではあるが、これだけ乗車に時間がかかると、文句の一つも言いたくなる。

前に並んでいたOL風の女性に話しかけてみた。すると彼女は「少し早めに出ればいいけど、それも、なかなか出来ないのよね。ほんと迷惑だけど、しょうがない」とあきらめ顔。それもこれもオリンピックのため…で様々な不便も甘んじて受けるしかない…というわけか。

<注:この文章は筆者の承諾を得て個人ブログから転載したものです>

■筆者プロフィール:朝倉浩之

奈良県出身。同志社大学卒業後、民放テレビ局に入社。スポーツをメインにキャスター、ディレクターとしてスポーツ・ニュース・ドキュメンタリー等の制作・取材に関わる。現在は中国にわたり、中国スポーツの取材、執筆を行いつつ、北京の「今」をレポートする中国国際放送などの各種ラジオ番組などにも出演している。

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