Record China 2008年7月29日(火) 17時27分
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北京五輪を間近に控え、選手らの取材は非常に難しくなっている。特に、劉翔やヤオミン、郭晶晶など金メダル獲得、もしくは活躍が期待される選手については、警備は日に日に厳しくなっているのだ。写真は07年8月、キャデラックに乗って練習場を後にする劉翔。
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北京五輪を間近に控え、選手らの取材は非常に難しくなっている。特に、劉翔やヤオミン、郭晶晶など金メダル獲得、もしくは活躍が期待される選手については、警備は日に日に厳しくなっているのだ。練習中は、あちこちに武警が立ち、所定の時間以外、選手に近づくことはまったくできない。その警備の範囲は、大会が近づくにつれ、徐々に拡大しており、また警備の厳しさも相当なものだ。
さて、こういった警備の事情に加え、選手自身の「管理」もかなり厳重になってきている。
その「管理」について、劉翔については「チーム劉翔」が存在するのはよく知られた話だ。
この「チーム劉翔」は去年の冬合宿の際に、正式に発足したもので、6人の専門スタッフが彼の生活全てを支える。モットーは「よく休み、よく回復し、よく食べさせる」。
劉翔を医学面、栄養面、生活面、トレーニング方法など様々な分野から支える中国でも有数の人材である。
特に「食」については特に厳しく管理しており、体重や筋肉の変化が起きないよう綿密な計算がされている。豚肉は絶対に口にせず、たんぱく質と栄養価の高い食品、特に海産物では海老やカニ、キノコや青野菜などが中心の食事となっているようだ。
また毎日の「出勤」にも非常に気が配られている。上海出身の劉翔は、合宿所のある中国体育総局訓練局から少し離れたところに部屋を借りている。送り迎えは全て専用車のキャデラックがついており、一般の車は敷地内に入れないものの、彼の車は「特別扱い」。訓練局の門まで入ることができる。
ちなみにこのキャデラックは五輪のスポンサーが提供したもの。劉翔自身は、北京五輪前、運転は一切禁止されており、コーチの一人が専属の「運転手」を務めている。
その他にも、さまざまな「特別扱い」が劉翔を支えている。国家体育総局は、先ほど名前を挙げた選手など、何人かの金メダル候補を「重点選手」と位置づけ、通常とは異なる扱いを行っている。この「至れり尽くせり」ぶりは、国家チームの一員として北京五輪に臨むシンクロナイズドスイミングの中国代表監督、井村雅代さんも「非常にうらやましい」と言っていた。
中国が国家を挙げて臨む北京五輪。そこで、是が非でも金メダルを取ることを要求される「重点選手」たち。この特別扱いは彼らの生活の面倒をできるだけなくし、競技に専念してもらおうという思いからなのだろうが、いうまでもなく選手たちには相当のプレッシャーがかかる。そのプレッシャーをパワーに変えられる者だけが、祖国の期待にこたえてることができる…まもなく、その大舞台がやってくる。
<注:この文章は筆者の承諾を得て個人ブログから転載したものです>
■筆者プロフィール:朝倉浩之
奈良県出身。同志社大学卒業後、民放テレビ局に入社。スポーツをメインにキャスター、ディレクターとしてスポーツ・ニュース・ドキュメンタリー等の制作・取材に関わる。現在は中国にわたり、中国スポーツの取材、執筆を行いつつ、北京の「今」をレポートする中国国際放送などの各種ラジオ番組などにも出演している。
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