人民網日本語版 2017年11月3日(金) 10時0分
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近年、日本では「ネコブーム」が巻き起こっており、ネコを飼っている人が急増中で、イヌに変わってネコが日本で最も愛されるペットになっている。
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近年、日本では「ネコブーム」が巻き起こっており、ネコを飼っている人が急増中で、イヌに変わってネコが日本で最も愛されるペットになっている。そして、ネコカフェやネコ本専門店、ネコ画展,ネコの駅、ネコ島などが続々と登場している。ある日本の学者は、「ネコノミクス」という概念も考え出した。日本人は昔からネコに対して特別な思いを抱いており、日本で再びネコブームが起きていることについて、日本では国を挙げて精神的な「ネコ型社会」に突入したと分析する声もある。日本の社会学者は、「これは、日本が高齢化社会となり、家庭の構造や社会の空気が変化していることと直接関係がある」と分析している。環球時報が報じた。
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▼「ネコの文化」
近年、日本ではネコを飼っている人が増加している。一般社団法人・ペットフード協会の統計によると、日本のイヌの飼育数は2012年の1153万匹から16年には987万匹にまで減少したのに対して、同時期のネコの飼育数は953万匹から984万匹に増加し、17年にはイヌの飼育数を超えると予想されている。アニコム損害保険が発表している人気品種ランキングによると、日本人が最も好むネコは、スコティッシュフォールド。その他、アメリカン・ショートヘア、混合ネコ、マンチカン、ロシアンブルーなども人気だ。ネコを飼う人が増加しているのに伴い、子ネコの卸売平均価格も13年の平均12万4000円から現在は約21万円に高騰し、希少価値の高い品種の場合、その価格は一気に跳ね上がる。例えば、子供のメヌエットの価格は、3、4年前の25?75万日から120?300万円にまで高騰している。日本人はこのような現象を「ネコブーム」と呼び、国民全体がネコを好むというのが日本社会のトレンドとなっている。
近年、ネコ関連の文化現象も次々に巻き起こり、ネコブームに拍車をかけている。日本の「かごネコ」や「ネコ駅長」、「ネコ島」などは海外でも非常に有名で、日本、ひいては世界のネコ好きの人々がそれらを一目見ようと、旅行している。例えば、06年に、飼い主がブログに投稿したことで話題沸騰となった「かごネコ」は世界的な「アイドル」となった。和歌山電鉄貴志川線貴志駅の名物スーパー駅長「たま」は、200万人以上の観光客を呼び込み、路線廃止の危機に瀕していた同線の救世主となった。タマが15年に亡くなると、「ニタマ」が駅長に就任し、さらに、和歌山県は貴志駅に鎮座する神社の一つを「たま神社」と命名し、神社に「たま」の銅像2体を設置した。
日本の小さな島は住んでいる人がとても少なく、ネコが大量に繁殖し、「ネコの楽園」となってネコ好きの人々に人気の観光地となっている。 宮城県田代島も「ネコ島」の一つだ。
ネコの文化的イメージという面では、ドラえもんやキティちゃんなど、ネコをモチーフにしたアニメはもちろんのこと、日本の伝統でもある招きネコも人気になり、招きネコ発祥の地とされる東京世田谷の豪徳寺は、観光客やネコ好きの人々に人気の場所となっている。
▼ネコノミクス
ネコの経済効果を15年で2兆3162億円と試算する関西大学の宮本勝浩名誉教授は、安倍晋三首相が唱えたアベノミクスになぞらえ「ネコノミクス」という言葉を使った。ネコ関連のビジネスはあまりに規模が大きく、それを試算するのが難しいほどだ。日本の猫の日実行委員会は1987年に、2月22日を猫の日と定め、その日にはネコに関する写真展や絵画展などの各種イベントが行われる。そして、各種ネコグッズもこの日に合わせてたくさん発売される。
日本ではネコをテーマにしたドラマや映画も多い。例えば、北村一輝が主演の映画「猫侍」シリーズ、また、同じ製作チームの動物ドラマシリーズ第13弾「ネコ忍」など、斬新なスタイルの作品は好評を博した。ネコ関連の小説や漫画は数え切れないほどあり、夏目漱石の「吾輩は猫である」は今でも人気となっている。12年、動物写真家・岩合光昭が世界各地のネコを動画で撮影したものを紹介するドキュメンタリー番組「世界ネコ歩き」は、NHK BS プレミアムで放送され、好評を博した。
「ネコノミクス」により、「ネコ本専門店」や「ネコカフェ」を開く日本人も多い。例えば、宇都宮市のあるネコ本専門店では、7年前からネコのリクオが「店長」を務めており、猫本を集めた専門コーナーとして「にゃんこ堂」を設置。ネコの本屋、絵本、写真集など500冊以上が並ぶ。今では日本全国にこのようなネコ本専門店が10軒以上あり、その数は増加中だ。
店内でネコを飼って客呼び込みを図っている喫茶店のオーナーもおり、「ネコカフェ」も登場している。東京のネコカフェ「MOCHA」や「てまりのおうち」などの店内には、数十匹のネコがおり、客はコーヒーやソフトドリンクを飲むことができるほか、ネコに餌をあげたり(有料)、ネコと遊んだりして、過ごすことができるようになっている。
▼ネコはもともと「輸入品」
記載によると、ネコは6世紀に日本の遣唐使が中国から持ち帰り、当時は僧侶がネズミから経典を守るために使っていたという。そして、奈良時代(710-794年)、平安時代(794-1185年)になり、貴族が貴重な愛玩動物としてネコを飼うようになった。一条天皇(986-1011年)はネコが大好きで、ネコの誕生日を祝う儀式まで行っていたとされている。江戸時代(1603-1868年)になると、政府は庶民がネズミを駆除するためにネコを飼うことを認め、ネコを飼う習慣が民間へと広がり、近代になると、それがブームにさえなるようになった。日本には昔から、ネコの妖怪に関する伝説がたくさんあり、近代になって幸運や富のシンボルとしてのイメージが少しずつ形成された。
京都文化博物館は今年4-6月、江戸時代後期の「猫ブーム」を紹介する展覧会「いつだって猫展」を開催し、江戸時代の浮世絵師の歌川広重や歌川国芳などのネコ関連の作品を展示した。歌川国芳は愛猫家としても知られ、ネコをたくさん飼っていただけでなく、人を「擬ネコ化」して表現している。これも、ネコが「パートナー」として日本人の生活や心に少しずつ浸透していったことが反映している。
日本の現在の「ネコブーム」に関して、日本では、「集団主義や服従の精神を崇拝する『イヌ型社会』から、自由奔放で個性を主張する『ネコ型社会』に入ったから」と分析する声もある。
冷戦が終了すると、経済が衰退するようになり、生活のストレスが増大して国民は精神的プレッシャーにさらされるようになり、日本人は自分の生活や実益に注目し、癒しや静けさを求めるようになった。そのため、以前はイヌが人気だったものの、今はネコを飼うことを好むようになっている。
日本の社会学者や経済学者は、「社会的な心の保守化のほか、日に日に深刻化する高齢化、一人暮らしの増加を背景に、イヌの散歩ができない日本人がますます多くなっている。また、アパートに住む人が増えており、スペースや騒音の問題から、大型犬を飼うことはできず、さらに、ネコはイヌをほどお金がかからないため、日本人がよりネコを愛するようになっている」と分析している。(提供/人民網日本語版・編集KN)
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