日本の都市に危機感募らせる有識者、必要なのは「デザイン力」―中国コラム

人民網日本語版    2017年8月19日(土) 15時50分

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中国人が日本に出張や観光に行った後の感想を見ると、その多くが日本を称賛する声だ。ほとんどの中国人が日本の都市が整然としていて清潔感があり、社会も秩序正しいと感じている。

中国人が日本に出張や観光に行った後の感想を見ると、その多くが日本を称賛する声だ。ほとんどの中国人が日本の都市が整然としていて清潔感があり、社会も秩序正しいと感じている。そして、日本の高齢化や疲労感に注目しているのは、日本のことをよく理解しているごく少数の人だ。(文:陳言。瞭望東方周刊掲載)

中国人は日本の都市の美しさに称賛の声を上げているものの、日本の有識者らは都市の構造や建設の見直しが急務であると、危機感を募らせている。

東京デザインセンターの船曳鴻紅(ふなびきこうこ)代表取締役社長もそう感じているうちの一人で、「東京のような繁栄しているように見える大都市には、すでにかなり退化しており、デザインを強化し、レベルアップさせなければならない地域もいくつかある。一方、位置づけとデザインを見直した一部の中小都市は、今後の都市発展においてその実力を発揮し、輝きを増すだろう」と率直に語った。

そして、「将来、魅力や競争力のある都市になれるかは、『デザインの力』にかかっている」との見方を示した。この見方は、日本の政府や自治体にも重視されるようになっている。

都市計画の面で、日本は以前、商業機能や工業生産の構造を重視し、現代都市の象徴とも考えられていたため、大型ショッピングセンターや各種工業団地(工業パーク)が都市計画において最も重要な位置を占めていた。

人口が少なく、景気も悪いため、車で日本各地を走っていると、使われていない工場や客のほとんどいない商業街などをよく見かけ、「都市衰退」という既視感を覚える。

生活の魅力、文化の魅力、地域の魅力がある都市というのが船曳社長の「デザインの力」の主な方向性だ。

記者は東京で、船曳社長と代官山に行った。30年前に私が日本で暮らしていた時、帰宅途中に友人と時々ここに来てお酒を飲んでいた。ここでお酒を飲む理由は、安い居酒屋が多いからだ。まだ、バブル全盛期のころ、東京の中心には摩天楼が次々に建設されていたものの、代官山には江戸時代の建物や庶民の家などが残され、懐が寒いサラリーマンがここに来て、よくお酒を飲んでいた。

ところが、今の代官山は見違えるほど変わってきている。

東京の中心と違い、代官山には今でも高層ビルがないものの、ここに来るとしばらく留まりたいという気分になる。例えば、ここには本屋がたくさんある。図書館とカフェが一体になったかのような書店で、本棚から本を取り、ソファーに座ってコーヒーを飲みながらゆっくりとそれを読むことができる。また、ほとんどの書店で、中国では全く見かけなくなったレコードが販売されており、買う前にそれを試聴することもできる。

書店を出ると、店と店の間には清潔感あるテーブルとイスが並べられており、そこでいつでも足を休めることができる。たくさんの木が立ち並び、夏でも涼しく感じさせ、冬に店に入るとストーブがあり、温まることができる。

昔行ったことのある小さなレストランや居酒屋の多くは今でもあるものの、デザインが一新しているため、一層オシャレになっている。そして、値段も東京の繁華街と同じ程度になっていた。

筆者は石川県の金沢市を訪問したこともある。日本の政府は、そこで暮し、古代日本の陶芸や金細工職人の技術を継承するようアーティストに呼び掛けている。そのため、金沢は小さな都市であるものの、魅力ある良い都市になっている。

このような見飽きることなく、しばらく留まりたいという思いにさせられる部分が、船曳社長の言う「デザインの力」だ。(提供/人民網日本語版・編集KN)

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