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中国の漫画・アニメ企業、本場日本で成功の例も=ビジネスモデル確立はこれから―中国メディア

人民網日本語版    2017年7月19日(水) 23時40分

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2014年以降、いくつかの漫画・アニメ作品が大いに人気を集め、漫画アニメ産業を新たな飛躍へと導くようになった。大量の資本や人材が流れ込み、これまで冷え冷えとしていた漫画アニメ産業は他産業をしのぐ「熱さ」になった。

2014年以降、いくつかの漫画アニメ作品が大いに人気を集め、漫画アニメ産業を新たな飛躍へと導くようになった。大量の資本や人材が流れ込み、これまで冷え冷えとしていた漫画アニメ産業は他産業をしのぐ「熱さ」になった。だが3年間の奮闘の後、漫画アニメ企業の9割が結局は以前と変わらず赤字で、問題の根本は商業化に向けた開発が不成功だったことにあるといえる。ところが一部の企業は損益に苦しむ状態から抜け出し、漫画アニメ産業の本丸といえる日本市場に直接「殴り込み」すらかけている。どうしてこのようなことが可能なのだろうか。一財網が伝えた。

▽躍進の3年間、9割が赤字

3年前、ネット文学の知的財産権(IP)をめぐる動きが活発になり、IPの重要な供給源の一つである漫画も資本の関心を呼ぶようになった。とりわけ後に映画市場に「大閙天宮」(日本題「モンキー・マジック 孫悟空誕生」)、「西遊記之大聖帰来」、「大魚海棠」(「ビッグフィッシュ&ベゴニア」)といった巨額の興行収入を上げたアニメ作品が登場すると、資本の熱狂ぶりがさらに高まった。

総合型漫画アニメ企業・中影年年の銭暁宇社長は、「数年前には中国の漫画アニメ企業の多くは代理加工企業に過ぎなかったが、ここ3年ほどは資本の流入にともない、資本の支援を受けてオリジナル作品に回帰するようになったところが多い。ただコストがかかり、明確な収益モデルがないことが、引き続き業界全体を悩ませる問題となっている」と話す。

漫画アニメ産業の開発の成功例は少なくない。ハリウッドの大手制作会社マーベルも漫画アニメからスタートし、ハリウッドで数十年にわたり経験を積み上げて、ついに一連の漫画アニメのIPを獲得するようになった。中国は今はIPを蓄積している段階で、「全職高手」(「マスターオブスキル」)、「画江湖之不良人」、「秦時名月」など中国で大人気のIPはあるが、マーベルのようなスケールの大きなIPへの発展を目指すなら、まだしばらく時間がかかることは明らかだ。

だが今ある漫画アニメ企業の多くは持ちこたえることができないとみられる。業界関係者によると、大人向けの漫画アニメ産業にはまだこれといったビジネスモデルがなく、愛奇芸などの放送プラットフォームが有料視聴などのモデルを試行し始めたとはいえ、収入はまだ少なく、漫画アニメ産業全体の投資コストを回収するにはほど遠い。3年前には資本が大量に流入したが、その時の資金はほぼ使い尽くし、引き続き有効なビジネスモデルが見つけられなければ、資本がこの分野にさらさらと流れ込んでくることはあり得ず、やがて多くの企業が会社整理という事態に直面することになる可能性がある。

▽創作と商業化を平行

こうした状況の中、新たな立て役者として登場した漫画アニメコンテンツ制作会社の麦萌は、業界が資本の冬を迎える中で1億元(1元は約16.6円)を超える融資を獲得し、業界の流れとは逆に日本市場に進出し、人々を大いに驚かせた。麦萌の経験を総括すると、主に2つの点が特筆される。1つは商業化された運営を重視していること、もう1つは日本の漫画市場においてメディアが移り変わる際の空白期間をうまくつかまえたことだ。

現在の漫画アニメ作品の開発それ自体ではそれほど稼げるわけではなく、多くの作品は長い蓄積期を経て大型IPに成長した後、再び川下産業チェーンの開発を通じて利益を達成するというコースをたどらなければならない。同時に、多くの漫画アニメ企業は作品の創作にばかりかまけて、広告会社との協力をおろそかにしてきたため、広告料などのすぐに手に入る収入が極めて少なく、いつ入るかわからない長期的な収入を待つしかない。麦萌はこうした現状を変えようとしている。

麦萌は2016年8月に商業化をスタートし、広告会社との協力を積極的に進め、その年の終わりには営業収入が1700万元に達し、そのうち70%は広告フローからの収入だった。コンテンツ制作会社としては、広告フローからの収入だけでは足りない。創業者の孫于■(品の口が水)氏によると、「麦萌は漫画コンテンツの中でより多くより創意に富みより面白いブランド広告を打っていきたい。今年の重点はネイティブ広告の発展を推進することで、得られた利益は漫画家たちと分配していきたい」という。

大手広告代理店の英WPPグループの李倩玲・前中華圏最高経営責任者(CEO)は、「漫画アニメ産業の広告収入が少ない大きな原因は、昔からある企業の多くで広告に関する意志決定を行う人々の年齢層が高く、漫画アニメ産業を理解していないことにある。これと同時に、意志決定者たちは漫画アニメ産業の受け手は年齢が若く、消費力が低いとみているが、こうした見方は正しくない。実際、現在の漫画アニメ産業のコンテンツは大人向けに変わり始めており、大量の1980年代生まれ(80後)の人々がすでに漫画アニメ産業の受け手になっている。同時に、漫画アニメ産業の主要な受け手である90年代生まれ(90後)や95年以降生まれ(95後)には、消費力が非常に高い人もおり、次世代のクラスターとして、消費の概念はより開放的だ。大手企業の広告の意志決定者が漫画アニメの受け手たちを軽く見るなら、巨大な鉱脈を見逃すことになるのは明らかだ」と話す。

麦萌はビジネス化運営に力を入れるだけでなく、独自に新たな道を切り開き、日本市場に進出して漫画アニメ産業に新風を吹き込んでいる。昨年は人気漫画16作品を日本に輸出することに成功し、日本でファン層を獲得した。今年は日本の漫画家や出版社と双方向の協力を進めるほか、日本で漫画アプリケーションを打ち出し、課金モデルもスタートする計画だ。またプラットフォームの重点を韓国市場に移し、現地で子会社を設立するという。

孫氏は、「海外漫画市場で目立った変化が起きている。たとえば日本の場合、東京にある出版科学研究所が発表した16年の雑誌図書産業の状況をみると、漫画雑誌は大きく衰退し、主な原因はスマートフォンが普及し、電子閲覧の習慣が盛んになっていることにあるという。現在、日本国内の漫画電子閲覧プラットフォームは非常に少なく、その少数のプラットフォームですらコンテンツの貯蔵量で中国のプラットフォームに匹敵するところはない。こうした状況は中国の漫画プラットフォームにとってまたとないチャンスであることは確かだ。また日本は世界的な漫画大国であり、日本でよい結果を出したなら、その後の海外での普及拡大に与える影響力は相当なものになる」と話す。(提供/人民網日本語版・編集KS)

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