アニメ映画における「東洋文化」について、日米中のアニメーターが語る―中国紙

人民網日本語版    2017年6月24日(土) 21時40分

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中国のアニメーターはどのように中国の物語を描けばいいのだろう?一方、西洋のアニメーターは、どのようにアニメを通して東洋の文化を表現すればいいのだろう?

中国のアニメーターはどのように中国の物語を描けばいいのだろう?一方、西洋のアニメーターは、どのようにアニメを通して東洋の文化を表現すればいいのだろう?中国アニメーション監督の王微監督、日本のアニメーション監督・神山健治監督、今年の上海国際映画祭・金爵奨コンペティション・アニメーション部門の審査委員長を務める米国のトニー・バンクロフト監督の3人はこのほど、金爵映画フォーラムで、「アニメーション映画における東洋文化」をめぐって、それぞれ自身の見方を語った。新聞晨報が伝えた。

19年前の1998年、バンクロフト監督とバリー・クック監督がメガホンを握ったアニメーション映画「ムーラン」が米国で上映された。ディズニーが中国の要素をテーマにした作品を製作したのは同作品が初めてだった。中国で上映されたときは、「自分たちのイメージのムーランとは違う」と受けいれない観客も一部いたものの、欧米で大ヒットした同作品のおかげで、海外の多くの人が中国の伝説の女性戦闘士「ムーラン」を好きになり、中国文化について一層理解するようになった。

バンクロフト監督は、「西洋人として、中国の物語を描くのは決して簡単なことではない。まず、物語の要素は中国らしくなければならず、そのために僕たちは1年以上の時間をかけて、服や髪形、書道、絵画、王朝時代の背景などを調べた。それから、世界の人々に共感してもらいたかったため、テーマを決める時には、誰もが理解できるテーマと気持ちを探さなければならなかった。勇気を持って本当の自分と向き合うというのがムーランのテーマだった」と語った。

日本の漫画家・士郎正宗のSF漫画「攻殻機動隊」は、さまざまな国で、アニメーション映画、TVアニメ、実写映画などの形式で上映、放送された。うち、神山監督が2002年にメガホンを握ったTVアニメは、中国のドラマや映画などの情報コミュニティサイト・豆瓣網で9.5ポイントという高い評価を受け、中国にも多くのファンを抱える。もちろん、未来が舞台の物語であるため、フィクションのストーリーだ。しかし、同作品では、中国も重要な「役どころ」となっている。

神山監督は、「日本人は、外国の世界をよく知っているというわけではないものの、外国のものを崇めたり、憧れたりする傾向がある。そのような憧れを想像に変え、アニメにしている」とし、外国人であるため、中国をリアルに再現するのは難しいものの、「日本のアニメーターが見ているのは出資者の顔色ではなく、視聴者の顔色であるため、どんなテーマのアニメでも視聴者の立場に立って、何を考え、どんなものを好んでいるかを考えれば、成功しやすい」との見方を示した。

中国人が中国の物語を描くのは、お手の物と感じるかもしれないが、「小門神(Little Door Gods)」のメガホンを握った王監督は、「しっかりとした中国の物語を描くというのは、長い間悩み続けるほどの難題」とする。そして、「中国の物語となると、キャラクターやストーリーの構成、ビジュアルなど、いろんな要素が関係してくる。自分たちが作りたい中国の物語とは、一体どんなものであるかということをよく考える」という。中国らしい作品をどうしても作りたいという思いから逆に優柔不断になってしまい、本題からそれてしまいそうになったため、「小門神」を製作する時は本当に苦悩したという。

最近、王監督の新作「阿唐奇遇(Tea Pets)」が完成した。同作品の製作の過程で、王監督は、「中国人である自分たちが中国の物語をうまく描けないのなら、誰がそうすることができるのか」という自信を持つことができるようになり、形式上の束縛を捨てて、物語だけに注意を注ぐことができるようになったという。現在、王監督は、「1960〜70年代、アニメ製作会社・上海美術映画製作所は、見る人を感動させ、中国らしいアニメーション映画をたくさん作り、数世代の人に影響を与えた。現在、若い世代である自分たちの手で、本当の意味で若い人に受け入れられる中国のアニメーション映画を作ることができれば」と願っている。(提供/人民網日本語版・編集KN)

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