孫正義ソフトバンク社長「創意とバランス感覚により成功に導いた」―ヤフー前社長の井上雅博氏お別れの会

八牧浩行    2017年6月12日(月) 17時20分

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ヤフー前社長の井上雅博氏のお別れの会が東京のホテルで開かれ、1200人以上が参列。同社の親会社ソフトバンクグループの孫正義社長は「大きな責任感を持って会社をリードし続けた。創意とバランス感覚により成功に導いた」と称えた。

2017年6月12日、ヤフー株式会社(ヤフー・ジャパン)前社長の井上雅博氏のお別れの会が東京のホテルで開かれ、1200人以上が参列した。同社の親会社ソフトバンクグループの孫正義社長は「大きな責任感を持って会社をリードし続けた。創意とバランス感覚により成功に導いた。前のめりになりがちな私の考えについて、ゆっくりしたほうがいいと言ってくれたこともあった。同時に多くの社員に慕われ、日本中のインターネットのユーザーに大切にされた。ヤフー・ジャパンの社長になるために生まれて来たような人だった」と偲んだ。

井上氏は、米カリフォルニア州で交通事故により米国時間4月25日(日本時間26日)に死去した。60歳だった。

宮坂学ヤフー社長は「1996年に井上氏はヤフー社長に就任し、2012年6月に退任するまでの16年間の歩みは、弊社のみならず日本のインターネットの歴史と言っても過言ではない。また16期連続での増収増益を達成するなど、日本の産業史に残る卓越した業績を残した。製品には厳しかったが、人には常に温かった。『ナンバーワンではなくオンリーワンになれ。横着をするな』といつも語りかけた。この教えを受け継ぎ今後も日本のインターネットをリードする存在であり続けるためにまい進したい」と称えた。

米Yahoo!の共同創業者で、元最高経営責任者(CEO)のジェリー・ヤン氏は「井上さんはいかなる嵐の中でもいつも冷静で、初めてお会いした時から、落ち着いた揺るぎない実力者だった。彼がプロジェクトや事業計画や新たな取り組みにイエスと言った時は、その取り組みが高度な成功を収めることを確信できた瞬間だった。井上氏の優れたリーダーシップの下、ヤフー・ジャパンは20年経った今でも、ネット分野で日本で最も強いブランド力を誇っている。それこそが、井上氏の鋭い洞察力とリーダーシップの賜物だ」と振り返った。

井上氏は1957年生まれ。79年、東京理科大学を卒業し、ソード電算機システムに入社。87年にソフトバンク総合研究所、92年にソフトバンクに入社した。96年1月、ソフトバンクと米Yahoo!が合弁でヤフーを設立した際、取締役に就任(当時の社長は孫正義氏)。同7月、代表取締役社長に就任し、16年にわたって社長を務め、12年6月に退任した。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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