むらさわりこ 2017年5月16日(火) 14時20分
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中国人の夫には50人以上の親戚がいる。夫は遠く離れた日本にいても1カ月に2回程度誰かしらの親戚と電話をしているのだ。資料写真。
中国人の夫には50人以上の親戚がいる。夫の両親はそれぞれ7人兄弟。全員結婚して子どもがいる。さらに両親共末っ子のため、上の兄弟の子どもの子どもには夫と歳がそんなに変わらない人もいる。「深センにいるいとこ」「上海にいるはとこ」「四川にいたけどビジネスのために地元に来たいとこの旦那さん」など聞いても全く覚えきれないが、夫は遠く離れた日本にいても1カ月に2回程度誰かしらと電話をしているのだ。
日本人の私からすると、親戚の多さに驚いてしまう。関係についても、日本人でもいとこなどと仲の良い人は大勢いるが、中国に比べたら親戚づきあいは希薄だと言えるだろう。さらに、どれだけ離れていても親戚一同仲が良く、夫はよく「いとこのお母さん」なる人と電話で近況報告をしている。夫は親戚のおば様方から人気があり「ご飯ちゃんと食べてるの?」「身体には気をつけてね」などと母親並みの愛情を受けている。SNSを通じて中国にいるはとこが夫と5歳の時に撮った写真を「懐かしいね」と送ってくれたこともあった。いとこやその両親との交流が全くない私は、実に強い絆(きずな)だなと思う。
福建省出身の夫の地元には実の母親に加え、父方の叔母を義母とする習慣がある。夫いわく、「福建省全ての地域にその習慣がある訳ではなく一部の地域だけ」なのだそうだが、夫の場合は父親の姉が夫の「義母」になっており、何か大事な取り決めをする時は両親と義母に相談するのが決まりなのだそうだ。そんな習慣も家族と親戚を強い絆で結ぶ要因のひとつになっているのかも知れない。
親戚だけでなく家族もしかり。夫は日本に来て10年近くになるが、毎週両親に電話をかけている。以前、忙しい日が続いて電話をするのを忘れてしまったことがあったが、両親は心配で心配で、しかし忙しいのかと思い自ら電話は出来ずに思い悩み、一時的に不眠症になってしまったそうである(夫はこの話を両親からでなく親戚から『両親に心配をかけたら駄目じゃない』というお叱りの言葉と共に聞いた)。
そんなに毎週毎週話すことがあるの?と聞いたことがあるが夫は「まあ、ないね」と言った。じゃあ何で毎週毎週電話をするのかと聞いてみたら夫は「話すことはそんなにないけど、心配をかけないことが一番の親孝行だから」と言っていた。
中国式の密な家族・親戚とのコミュニケーションを「面倒くさい」と思わない日がないと言えばうそになる、と夫は言う。私から見ても、親戚に日本製品の購入を頼まれたり、いとこが彼氏と喧嘩した話を2時間も電話で聞いてあげたりと色々と大変そうである。それでも遠く離れた中国から「元気?」「どうしてる?」と気にかけてくれる大勢の親戚のいる彼が、どこかうらやましいと感じてしまうのはなぜなのだろうか。
■筆者プロフィール:むらさわりこ
1989年日本生まれ。22歳の時に2歳年上の福建省出身の中国人男性と結婚。英語を独学で習得後、英会話講師として働く傍ら中国のテレビなどを通し中国語も独学で習得。趣味は語学と読書。図書館があまりに好きで毎週通っている。結婚前はベトナム、ニュージーランド、モンゴル、カナダ、ラオス、フランスなど様々な国を一人で渡り歩く。自分のやりたい事や面白い事に国境や言葉の壁は関係ないと考えている。
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